<< 東京市場の動き >>
10日の東京市場は、おおむね揉み合い。110円を挟んだ狭いレンジ内での一進一退に終始し、明確な方向性はうかがえなかった。
110.00円レベルで寄り付いたものの、マーケットは「夏枯れ」の様相で目立った動意なし。東京3連休前のゴトー日(5・10日)ということで、仲値決定(午前10時)にかけ、ややドル買いの気配が強まるも、結果としてそれほど大きな変動には繋がらなかった。109.90-110.20円といった30ポイントほどのレンジ取引に終始したまま、16時時点では109.95-00円で推移、欧米時間を迎えている。
材料面としては、引き続き北朝鮮に絡むニュースなどが目に多い。一例を挙げると、朝鮮中央通信が「北朝鮮、グアム沖にミサイル4発の発射を検討」、聯合ニュースは「韓国国家安全保障会議が緊急会合開催へ」と報じていた。
一方、そんな動意の鈍いドル/円を尻目に、NZドルが対円で1円以上の急落。また、ユーロ/円やポンド/円などの一部クロス円も、60-80ポイントとなかなかの価格変動をたどっている。
なお、NZに関していえば、同国中銀要人による発言も多く、たとえば中銀総裁から「為替レートの下落を望む」「為替市場介入は常に開かれている」、同中銀総裁補佐による「中銀は介入に向けた一歩としてNZドルの文言変更」といった発言が聞かれ、前述したNZドル安の主因になっていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
依然としてリスクという意味では、ドル安方向にバイアスがかかる。ドルの下値余地がジワリと拡大していることも気掛かりだが、それ以上にドルの上値が重くなりつつあることが「強気派」にとっては嫌な感じがするのではないだろうか。トランプ米大統領の発言などを聞く限り、米朝間の緊張が徐々に高まってきている感も否めず、実際の軍事衝突の可能性なども否定出来なくなってきた。「リスク回避」の意味を含め、円が買われやすい環境はいましばらく続きそうで、ドル/円はさらなる下値を試す展開となっても不思議はないだろう。
テクニカルに見た場合、一目均衡表の転換線がドルの上値を抑制している感がうかがえる。そんな一目の転換線は本日110.30円レベルに位置しており、まずは同レベルの攻防に要注意か。
対するドルの下値は、少なくとも直近だけで3度トライしてしっかりと割り込めなかった109円後半から110円レベルを昨日の欧米時間に下回ってきたが、予想以上に値が走らず、依然として底堅いイメージを指摘する声も聞かれていた。
一方、材料的に見た場合は、7月の生産者物価指数など幾つか米経済指標が発表されるほか、ダドリーNY連銀総裁によるブリーフィング参加などが注視されている。また、安全逃避の米国債シフトが見られるなか、実施される米30年債の入札も、結果如何で波乱要因となりかねないかも知れない。
それ以外では、調整の動きが徐々に強まってきた感もあるNYダウなど米株を中心とした他金融市場の動きにも警戒を要する必要がありそうだ。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.40-110.40円。ドル高・円安方向は、本日東京時間のドル高値である110.20円レベルが最初のメドで、抜ければ一目の転換線が位置する110.30円レベルや110.80-85円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の109.56円の攻防にまずは注目。底堅いイメージだが、割り込むと6月安値などがターゲットで109円割れが現実味を増してくる。(了)
オーダー/ポジション状況
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