<先週の動き>
ユーロ 2年半に及ぶ低迷から離脱
ユーロは先週半ばに節目と見られていた2015年8月の戻り高値1.1714を上抜けて2015年初頭から約二年半続いた長期の安値圏での膠着レンジを最終的に離脱しました。
前週に2016年の高値1.1616をクリアしたユーロドルは、週明け早々から買いが入りアジア時間で1.1684まで上昇、前週高値を更新しました。
その後一旦は利益確定売りに押されたものの基本底堅く終始1.16台をキープ。
27未明に発表された米FOMCでは内容に大きな変更はありませんでしたが、声明文のインフレの現状認識の微妙な差異から為替市場はインフレの現状認識が後退した「ハト派」の結果と受け止めドルが主要通貨に対し売られる展開に。
ユーロドルは膠着レンジの上限1.1714をついに突破して上放れ、1.1777の高値をつけた後達成感と利益確定の売りにより一旦反落したものの1.1650で足がかりを見つけ短時間で反転、週末米GDPが予想を下回る内容であったことから、ドル売りが強まる中ユーロドルは再度上昇して1.1751のドル高値圏で越週となりました。
<今週の見通し>
ユーロさらなる上昇局面へ
ユーロは先週ついに長期膠着レンジの上限1.1714を抜けて新たな領域に入りました。
このところのユーロドルの細かく調整売りをこなしつつ底値を切り上げる動きには力強さが感じられ、チャート的にも長期のトリプルボトムが形成されたと見ることができ、ユーロの騰勢は揺るぎそうにありません。
欧州圏の景気回復基調は明らかであり、トランプ政権の迷走とインフレ率の低迷で先行き不透明感の漂ってきた米国との差を詰めつつあり、追いつくにはまだ差があり過ぎるものの、欧州の金融政策が引き締めへの転換点に立っていることから資金の流れの大きな変化が生じつつあります。
個別の材料もこれらを裏付けするものが多く、週末にはIMFが米ドルの過大評価とドイツとの関係におけるユーロの過少評価を報告しており、また、25日にギリシャが2年ぶりに債券市場に復帰、30億ユーロの5年債を発行、2年前ユーロ圏離脱寸前までいったギリシャが、「ギリシャ危機」の名のもとにユーロの下落を加速したことを考えれば、このタイミングでの債券市場への復帰は象徴的な出来事といえます。
今週は週末に雇用統計を控えており、日付が進むにつれて焦点がそこに絞られていく動きとなりそうです。
ただ、ユーロサイドにも週末までにユーロ圏のCPI(月曜)、4-6GDP(火曜)、PPI(水曜)などの重要指標の公表が相次ぐため波乱含みです。
想定通りユーロ圏の経済の先行きにとって前向きな数字が続く限り、ユーロの上昇は当面継続するものと考えます。
ユーロドル予想レンジ1.1650-1.1900 雇用統計次第で更なる上昇も
今週のユーロの予想レンジは1.1650-1.1900
チャート的に上方向に障害の無い真空地帯に入っていることもあり、週末雇用統計が予想外に悪化した場合などは、ユーロ高が加速して1.2000を窺う動きとなる可能性もあるものと考えます。
オーダー/ポジション状況
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