ユーロドル上昇後高止まり対円一時130円台(7/7夕)

週末の東京市場でユーロドルは1.1400-1.1430レンジ内での小動きに終始しました。

ユーロドル上昇後高止まり対円一時130円台(7/7夕)

ユーロドル上昇後高止まり対円一時130円台

ECB議事要旨でユーロ再び高値圏で推移

週末の東京市場でユーロドルは1.1400-1.1430レンジ内での小動きに終始しました。
昨晩公表された6月のECB理事会の議事要旨では、景気の順調な拡大とデフレシナリオに陥るリスクの大幅な後退の認識の下、理事会でフォワードガイダンスの金利引き下げの可能性の文言を削除したと同時に、結果的には方針の修正は行わなかったものの、資産買い入れプログラムの縮小についても多くの議論がなされた様子が窺われる内容でした。
これは、先月下旬のドラギ総裁が突然行った資産家買い入れプログラム縮小可能性への言及とも取れる発言内容と符合しており、ECBが低インフレに配慮しつつも、将来的なテーパリングを視野に入れていることを肯定するものでした。
この議事要旨を受けてドイツ国債利回りは一年半ぶりの水準に上昇、10年もの国債利回りは0.5%を突破しました。そのため昨晩は久しぶりにユーロドルも1.14台を回復しています。

日銀は指値オペで長期金利上昇を牽制、円安に

一方で本日、日本銀行は史上3度めとなる固定金利オペによる「無限介入」を実施、5-10年もの国債を対象に新発債は0.11%で無制限に買い入れることを通知、欧米の長期金利上昇に連れ高になりつつあった日本の債券市場を牽制しスタンスの違いを明確化しました。
これを受けて円は売られ、ユーロ円は一時約一年半ぶりに130円台に乗せています。

ECB当局者からもユーロ支援発言相次ぐ

また、先ほどECBはクーレ理事のインタビュー記事をホームページ上に公表、ユーロ圏は金融政策の支援により循環的景気回復局面に入ったとの認識を表明しました。
加えて低インフレへの懸念、現行の金融政策の肯定という当局者のパッケージ発言を踏襲しつつも、ユーロ圏の主たるリスクは次の景気後退局面に丸腰で臨まなければならないことであるとして、余裕のあるフランスやイタリアなどはこの回復局面を利用して財政再建を行って財政的な余裕を確保するべきであると述べています。

今晩の雇用統計次第でユーロも波乱含み

今晩は米雇用統計の発表があり基本は取引が手控えられがちな中で、昨日からユーロの支援材料が多く、ユーロドルは今晩も波乱含みです。

雇用統計で就業者数や賃金に弱い数字が出た場合には、いよいよ前回抜けられなかった長期持合相場の上限を形成するトレンドライン1.1450を突き抜ける可能性もありますし、数字が十分強いものであった場合には1.1300を試す動きもあり得ます。
序盤の欧州株価指数先物は高止まりする欧州金利を嫌気して本日も続落して始まっています。

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