<< 東京市場の動き >>
7日の東京市場は、ドル高・円安。一時113.80円台まで値を上げ、直近の戻り高値を更新する局面も観測されている。
113.10-15円で寄り付いたのち、しばらくは113.10-30円といった狭いレンジ内での揉み合い。NY時間に発表される6月の米雇用統計にらみで、積極的な売買は手控えられていた。しかし、仲値決定(午前10時ごろ)を前後して日銀が国債の買いオペ増額や指値オペなどを行ったことをキッカケに円が急落、ドル/円だけでなくクロスを含めて円は全面安の展開をたどっている。
ドル/円は113.80-85円まで値を上げ、直近の戻り高値であった113.68円を更新。16時時点でも113.70-75円と、ドルの最高値圏を維持したまま欧米時間を迎えている。
一方、材料的には、前述した日銀ファクター以外で、朝日新聞が「内閣改造8月初旬にも、稲田防衛相は交代の方向」と報じたほか、「日米韓首脳が会談実施、対北圧力強化で一致」「トランプ米大統領が会見でCNNテレビとNBCテレビを非難」−−とのニュースなどが別途観測されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
北朝鮮に対する不安、地政学リスクが再燃しているものの、円安基調に変化はなく、114円乗せが現実味を増してきた。マーケットの変動要因は各国の金利差がすべてではないが、大きな位置関係を占める重要なファクターであり、そこを注視すればどうしてもドル高・円安に考えざるを得ない。本日のNY時間に発表される米雇用統計が改善した結果を示し、年内追加利上げ観測などに楽観的な見方が広がるようだと、ドルはさらなる高値をトライしても不思議はないだろう。
テクニカルに見た場合、いまだザラ場ベースの動きではあるが、3月高値115.51円と5月高値114.38円を結んだドルの下降トレンドライン(113.30円台に位置)をしっかりと超えた感を否めず、次のターゲットは当然、前述した5月高値114.38円となる。5月11日以来の114円台回復も現実味を増してきた。
なお、5月高値も超えると115円台が視界内に捉えられることになり、米当局者などからドル高けん制発言でも出ない限り、ドル買いの動きが止まらなくなる恐れもありそうだ。
一方、材料的に見た場合、幾つか注目要因はあるものの、最たるものはやはり6月の米雇用統計。非農業部門雇用者に関しての事前予想はプラス18万人程度だが、ここのところは事前予想値と乖離した数字になることも少なくないだけに、予断を持たずに実際の数値を見極めたい。
また、同じ雇用統計においては平均時給などの数字も着目されているほか、別に要因としてFRBの半期金融政策報告、G20首脳会議とそれにあわせた出席国首脳による2ヵ国間の個別協議などを受けた発言にも注意を要したい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.00-114.80円。ドル高・円安方向は、心理抵抗の意味合いが強い114円前後の攻防がまずは注目されており、抜ければ5月高値の114.38円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、113.50円レベルに弱いサポートが位置するも、113円台に目立った下値メドはうかがえない。そのため崩れだすと早い可能性があるにはあるが、一方で大崩れするイメージにも乏しい。(了)
オーダー/ポジション状況
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