今晩からのイベント、メインシナリオは無風か
今月3日のイエレン議長の講演以降続いた相場の凪が、ついに終了する可能性の高い、一連の重要イベントがいよいよ明日未明のFOMC結果公表から始まります。
本日の東京市場も朝型の原油先物相場の上下動が沈静して以降は完全に様子見となり、特筆する内容もなかったので、まずは今晩以降明日昼までのイベントの「メインシナリオ」を一応確認していきましょう。
まず、明朝日本時間3:00のFOMCですが、CME FEDWATCH TOOLでの利上げ確率は本日時点で90.8%。ピークの95%よりはやや低下しているもののほぼ利上げは確実と思われます。一方で財政策等不透明な中で12月に利上げを行ったばかりということもあり、例えば0.125%だけ上げるという選択肢はないのかとの疑問も少々浮かびます。
予防的に市場へのアナウンスとしてであれば、0.125%でも十分でもあり、株式市場へはポジティブサプライズとなるわけで。ありえないシナリオではないようにも思えますが、過去の記録を確認すると90年以降FRBは0.25%以下での刻みの政策金利は行っておらず、可能性は低そうです。
また今回のFOMCは3の倍数の月、経済予測と議長記者会見が付属している回です。
そのため、むしろその経済予測に含まれる各メンバーの政策金利見通しを示す所謂ドットチャートと、議長記者会見に注目が集まっています。
特にドットチャートの中央値が前回の3回利上げから4回利上げにシフトするか否かですが、0.25%利上げ実行を前提とすれば、このところ足踏み状態の株式市場等の状況からあまり強気な内容とはならず、会見内容とともに今後の含みを残しつつあと2回というのがメインシナリオでしょうか。何しろトランプ政権から減税策も、財政政策も具体案が出ていない現状ではいくら雇用が堅調とはいえ、これ以上突っ込んだ政策見通しは無理というものではないかと思います。波乱要因があるとすればFRBアセットの縮小、量的な緩和の縮小といったものが強く匂わされたときでしょうか。
次に明朝のオランダの下院選挙ですが、そもそもオランダは28もの政党が議席を分け合い単独過半数はありえない前提での選挙となっており、政権をとるためには他の政党との連立が必須となります。
世界中のポピュリズム台頭の今年初の試金石として、極右政党自由党の「躍進」が注目されていますが、仮に第一党となったとしても、主要政党でコーランを禁止し、モスクを閉鎖し、EUから離脱する方針の自由党との連立を受け入れるところはないとされており、第一党が野党になるという過去にも数度あった状況が現出するだけであまり影響はなさそうです。
そもそもマルク・ルッテ首相率いる自由民主国民党は議席を減らしつつも第一党を維持すると見込まれており、その意味でもメインシナリオはやはり無風です。
そして、明日の日銀政策決定会合結果公表ですが、こちらは現状維持が見まれており、2%の物価目標に向けて引き続き不透明感が漂う中で、米国の出口策に引っ張られる動きがあるとの憶測が微塵も出ないよう慎重な姿勢を貫くものと思われます。意地でも無風に持っていきたいところでしょう。
というわけで、その後も明日朝以降G20まで続くのヘビー級イベントも少なくとも今晩に関しては「意外と何も起こらない」のがメインシナリオですが、イベントが集中している中、上記のような読みから外れる要素が出てきた場合には重量級の相場の動きは覚悟する必要があるでしょう。
今晩他には21:30 米国2月CPI、21:30 米国2月小売売上高、21:30 米国2月NY連銀製造業景況指数
24:30 米国週間原油在庫と指標の発表も比較的多いのですが、今朝方変動した原油がらみの週間在庫はやや注意でしょうか。
序盤の欧州株価指数先物はおおむね堅調に推移しています。
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.02
南アランド円週報:『約3カ月半ぶり高値圏で堅調推移。上昇トレンドの継続を想定』(11/2朝)
南アランドの対円相場(ZARJPY)は、一時8.72円まで上昇するなど、約3カ月半ぶり高値を更新しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.02
トルコ円週報『約3カ月ぶり高値圏で堅調推移。来週はトルコのインフレ指標がメインイベント』(11/2朝)
トルコリラの対円相場は一時4.49円(8/2以来の高値圏)まで上昇するなど、約3カ月ぶり高値を更新しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.02
来週の為替相場見通し:『ドル円相場の急伸リスクに要警戒。来週はFOMCと米大統領選に注目』(11/2朝)
ドル円は9/16に記録した年初来安値139.58をボトムに切り返すと、今週前半にかけて、約3カ月ぶり高値となる153.88(7/30以来の高値圏)まで上昇しました。
-
日本円(JPY)の記事
Edited by:編集人K
2017.03.16
日銀政策決定会合終了、現状維持、変更なし(3/16)
日銀は本日の政策決定会合で事前予想通り、現状の金融緩和策を維持することを決定しました。資産の買い入れ方針等にも変更はありませんでした。
-
日本円(JPY)の記事
Edited by:編集人K
2017.03.14
イベント前のこう着状態続く(2017年3月14日)
本日の東京市場はイベント前の様子見気分の強い中、株、為替ともにこう着状態が続きました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。