RBNZは0.50%利下げ実施、日銀利上げ観測で円買い強まりトレンド悪化
今週のNZドルは、NZ準備銀行(RBNZ)による0.5%利下げで一時買われる動きも見られたが、円高進行に押され、88円台まで下落した。
RBNZは27日、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートを4.75%から0.5ポイント引き下げ、4.25%にすると決定した。2会合連続で50bpの利下げとなった。RBNZは声明で、「経済情勢が予想通りの展開になれば、来年初めにOCRの追加引き下げが可能と想定している」と説明。一方、政策金利平均が25年半ばまでに3.83%に低下するとの最新予測を示し、金融緩和のペースが緩やかになる可能性が示唆された。
インフレ率は2025年1−3月の2.0%から同年7−9月までに2.5%への加速が見込まれる。オアRBNZ総裁は、記者会見で「50bpの引き下げは適切と感じられる。フォワード予測は来年2月の50bp追加利下げと整合的だ」と語り、今回、75bpや25bpの利下げは今回検討されなかった。
0.75%の大幅利下げは見送られたことで、発表直後、89円前半から後半まで買われる場面が見られたが、日銀による利上げ観測によって円が主要通貨に対して総じて強かったことなどが影響し、88円台まで下落した。
NZドル・円(東京時間:11月25日―11月29日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 90円24銭
高値: 90円63銭
安値: 88円81銭
終値: 88円84銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
11月25日
6時45分、第3四半期小売売上高(前期比)、前回:−1.2%、市場予想:−0.5%、結果:−0.1%
11月27日
10時00分、NZ中銀政策金利、前回:4.75%、市場予想:4.25%、結果:4.25%
11月28日
9時00分、11月ANZ企業信頼感、前回:65.7、結果:64.9
12月2日
6時45分、10月住宅建設許可(前月比)、前回:2.6%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週のNZドルは、目立った経済指標の発表が予定されていないことから、経済的なつながりの深い豪ドルや円の動向に左右されそうだ。オアRBNZ総裁は来年2月の0.5%利下げを示唆しているが、3カ月空いていることや、その間にトランプ氏が次期米大統領として就任することなど不確定要素が多いことから、来年2月の利下げ幅は流動的となろう。
日足の一目均衡表では、転換線が基準線を下回ったほか、遅行スパンも実線を下回った。雲下限が位置する89円30銭水準で下げ止まっているが、雲下限を割り込んでおりトレンドは悪化。雲下限手前で下げ止まった豪ドル比では弱いと感じる。
今後、雲上限がじりじりと上昇するが、日銀による利上げ観測が強まっていることを考慮すると、この水準を意識した反発は難しそうだ。右肩下がりの100日移動平均線が上値抵抗として意識される可能性もあり、NZドルは下を意識した展開となろう。
NZドル円日足
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