『テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも上昇トレンド継続を示唆』
〇今週のトルコ円、週初4.40まで下落するも週後半一時4.53まで上昇
〇ドル円急上昇、トランプ大統領当選による対ドルでのリラ上昇等が背景
〇週末も底堅く、4.43前後で推移
〇トルコ円、主要テクニカルポイント上抜け、強い買いシグナルも成立、地合いは「極めて強い」
〇トルコ経済復調期待、トルコへの資金流入期待、トルコ中銀年内利下げ観測後退等もトルコ円を支持
〇引き続き、トルコリラ円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):4.30ー4.60
今週のレビュー(11/4−11/8)
今週のトルコリラ円相場は、週初4.45円で寄り付いた後、ドル円相場の下落に連れる形で、翌11/5にかけて、週間安値4.40円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)先週末金曜日に決定された米格付け会社S&Pグローバル・レーティングによるトルコの長期ソブリン債格付けの引き上げ決定(S&Pグローバル・レーティングは、トルコ中銀による金融引き締めを通じたインフレ抑制と、外貨準備積み上げを評価する形でトルコのソブリン債格付けを「B+」から「BBー」へ引き上げることを決定)や、(2)トルコ10月消費者物価指数(結果+48.58%、予想+48.20%、前回+49.38%)の市場予想を上回る結果(トルコ中銀による年内利下げ観測後退)、
(3)米大統領選でのトランプ氏勝利確定(トルコのボラト貿易相は「米国の次期トランプ政権がトルコの鉄鋼・繊維製品に対する関税を引き下げる」と発言→対ドルでのトルコリラ上昇→トルコリラ円連れ高)、(4)ドル円相場の急上昇(トランプ・トレードの再開でドル円急伸→トルコリラ円連れ高)、(5)トルコの主要株価指数の大幅上昇、(6)テクニカル的な地合いの好転(日足ベースでの「21日線と90日線のゴールデンクロス」「一目均衡表三役好転」が同時出現)が支えとなり、週後半にかけて、週間高値4.53円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/9午前0時50分現在)では、4.43円前後で推移しております。
来週の見通し(11/11−11/15)
トルコリラの対円相場は9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、今週後半にかけて一時4.53円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、一目均衡表基準線、雲下限、ボリンジャーミッドバンド)の上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「21日線と90日線のゴールデンクロス」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)トルコ経済の復調期待や、(2)外国人投資家による資金流入期待、(3)トルコ中銀による年内利下げ観測の後退(今週発表されたトルコ10月消費者物価指数が市場予想を上回った他、トルコ中銀が公表した四半期インフレレポートの中でも2024年末のインフレ予想を38%から44%へ、2025年末のインフレ予想を14%から21%へ上方修正→トルコ中銀による年内利下げ観測が後退→来年以降にずれ込むとの見方が再浮上)、(4)円キャリートレードの継続期待、(5)トランプ氏勝利に伴うトルコ株の上昇期待(トルコの鉄鋼・繊維製品に対する関税引き下げ期待)など、トルコリラ円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
来週予定されているトルコ9月失業率や、トルコ9月鉱工業生産、トルコ9月経常収支が良好な結果を示す場合には、トルコリラにもう一段強い上昇圧力が加わる展開が想定されるため、当方では引き続き、トルコリラ円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。
来週の予想レンジ(TRYJPY):4.30ー4.60
注:ポイント要約は編集部
トルコリラ円日足
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