11月会合での大幅な利下げ実施観測強まるが、豪ドルにつられる展開に
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、第3四半期失業率が前期比で悪化し大幅な利下げ実施観測が高まったが、経済的なつながりが強い豪ドルが買われたことから、約3カ月半ぶりの水準まで上昇した。
6日、ニュージーランド統計局が発表した第3四半期失業率は4.8%と前期の4.6%よりも0.2ポイント悪化した。市場予想の5.0%を下回ったものの、約4年ぶりの高水準となった。雇用者数も市場予想通りだったが、−0.5%と前回の0.2%から大幅に悪化した。
これを受けて、ニュージーランド準備銀行(NZ中銀)が27日の金融政策委員会で、政策金利を3会合連続で引き下げるとの見方が強まった。過去2回では合計0.75%引き下げたが、今会合では0.5%もしくは0.75%の大幅な利下げ実施が織り込まれている。これは来年2月まで金融政策委員会が開催されないことも要因となっている。
NZドルは、大幅な利下げ実施観測が強まった一方、豪ドルが7月24日以来の高値水準まで上昇したことなどが影響したことから買い優勢となり、9月27日の92円30銭を上回った。米大統領選挙でトランプ氏が勝利したことでドルが主要通貨に対して上昇。ドル高円安が進んだことなども影響したもよう。
NZドル・円(東京時間:11月4日―11月8日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 91円42銭
高値: 92円47銭
安値: 90円71銭
終値: 92円18銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
11月6日
6時45分、第3四半期失業率、前回:4.6%、市場予想:5.0%、結果:4.8%
6時45分、第3四半期雇用者(前期比)、前回:0.2%、市場予想:−0.5%、結果:−0.5%
11月11日
11時00分、第4四半期2年インフレ予想、前回:2.0%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週のNZドルは、第4四半期2年インフレ予想以外は目立った経済指標の発表が予定されていないことから、トランプ氏勝利によるドルの動向や、追加利上げ観測が高まる円、堅調な豪ドルなど外部要因を睨んだ展開となりそうだ。
米大統領選挙でのトランプ氏勝利を受けて、ドルは主要通貨に対して買われ、ドルインデックスは7月3日以来の105.3水準まで上昇したが、買い一巡後は104.3水準で推移している。米10年債利回りの上昇も一服。大統領選に絡んだドル売りポジションなどの反対売買が一巡したことで、ドルは落ち着きを取り戻した様子。連邦公開市場委員会(FOMC)も無風で通過したことや、次期トランプ政権の方向性を見極める段階に入ったことで、ドルのボラティリティは低下しつつある。
一方、154円台とドル高円安が進んだことから、日本では日銀による12月での追加利上げ観測がやや高まった。円安進行抑止のための追加利上げ実施の是非はあるが、追加利上げ観測の高まりは円高要因のため、円は主要通貨に対して買われる可能性はある。植田日銀総裁が追加の利上げに前向きな姿勢を示していることも円安進行の重しとなろう。
とはいえ、隣国の豪ドルが堅調推移のため、NZドルはしっかりの地合いとなりそうだ。日足の一目均衡表では、雲のねじれを無事に通過した後、上への動きを強めている。遅行スパンも実線より上を推移。外部環境を睨んだ展開ではあるが、テクニカルでは強い動きが続くと考える。
NZドル円日足
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