ドル円が急伸後も高止まり、トルコリラ円は4.50円超えへの挑戦続く
〇トルコリラ円、10/29は概ね4.49から4.45の取引レンジ、10/30早朝の終値4.47
〇ドル円同様10/28午前と10/29夜の両高値をダブルトップとした持ち合い
〇対ドル、10/29は概ね34.30から34.09の取引レンジ、終値は史上最安値近辺での推移続く
〇ドル円がダブルトップ破りから一段高へ進めば、トルコ円もドル円追いかけ4.50台へ向かうか
〇4.45上回るうちは上昇余地あり、4.49超えからは4.50、4.51順次試す上昇想定、4.50円以上は反落注意
〇4.45割れからは4.44、4.43前後を順次試す下落想定、4.43前後は反騰注意
【概況】
トルコリラ円の10月29日は概ね4.49円から4.45円の取引レンジ、30日早朝の終値は4.47円で前日終値の4.46円から0.01円の円安リラ高だった。
衆院選での連立与党大敗による政局不安と日銀の追加利上げ先送り見通しにより、ドル円が28日午前に153.87円へ急伸して9月16日安値139.57円以降の最高値を更新したため、トルコリラ円はドル円を追いかけて28日午前に4.49円へ上昇して9月16日の史上最安値4.11円(ベンダーによっては4.05円や4.10円など)以降の最高値を更新した。
ドル円は28日夜に152.40円までいったん下げたものの29日夜に153.86円へ上昇して28日午前高値に迫ったため、トルコリラ円も4.44円までいったん下げてから29日夜に4.49円へ切り返したが、小数点下四桁では28日午前高値4.4865円を29日夜高値4.4885円でわずかに超えている。
ドル円は衆院選をきっかけとした急伸一服で、28日午前と29日夜の両高値でダブルトップを形成しているが、28日の高安レンジ内で持ち合いを形成しており、トルコリラ円もドル円と同様に28日午前と29日夜の両高値をダブルトップとした持ち合いに入っている。
ドル円がダブルトップ破りから一段高へ進めば、トルコリラ円もドル円を追いかけて4.50円台へ向かうと思われるが、今夜の米GDP速報、明日の日銀金融政策決定会合を控えているため、目先は一段高へ進むのを躊躇しながら足場を固めたいところと思われる。
【ドル/トルコリラは終値史上最安値近辺での推移続く】
ドル/トルコリラの10月29日は概ね34.30リラから34.09リラの取引レンジ、30日早朝の終値は34.26リラで前日終値の34.28リラからは0.02リラのドル安リラ高だった。
8月28日の取引時間中史上最安値34.41リラから9月16日高値33.58リラへ戻した後は、この高安レンジ内の持ち合いを続けているが、10月25日終値34.28リラで終値ベースの史上最安値を更新し、28日終値を同値水準とし、29日も若干リラ高だったものの同水準に近いところにとどまった。
観光収入増加による経常収支の改善、外貨準備高の増加傾向、金融政策の正常化継続、高インフレ鈍化傾向等がリラへのプラス要因だが、インフレが鈍化したと言ってもまだ高水準にあること、増税と高金利による圧迫感が製造業の低迷を招いていること、株安基調から脱却できずにいることがリラ買いにブレーキをかけている印象だ。
トルコのシムシェキ財務相は具体的な数字を述べていないものの、中銀のカラハン総裁が12月までに来年の最低賃金引上げ(25%増)への作業が終わるとの見通しを示しており、これが実現する場合はトルコ景気の底上げにつながることも期待される。
【60分足 一目均衡表・サイクル分析】
トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、23日夜高値をサイクルトップとして24日午前から28日午前にかけての間への下落を想定していたが、25日午前時点では4.45円超えから強気サイクル入りとし、28日朝に4.47円へ急伸したために25日午後安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして28日夜から30日夜にかけての間への上昇を想定した。
29日夜への上昇で28日午前高値とダブルトップ型を形成しているため、ダブルトップ破りから一段高する場合は新たな強気サイクル入りとするのを妥当とみて29日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとする。29日夜高値を超えないうちは30日午後から11月1日午後にかけての間への下落余地ありとするが、高値更新からは強気サイクル入りとして11月1日夜から5日夜にかけての間への上昇を想定する。
60分足の一目均衡表では28日午前に急伸した後は乱調な展開ながら先行スパンからの転落を回避しているので、先行スパンからの転落を回避する内は遅行スパン好転中の高値試し優先とし、先行スパンから転落する場合は下落が長引くとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は28日午前と29日夜のダブルトップに対して指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられるため、目先は下向きとして40ポイント割れからは30ポイント前後への低下を想定するが、60ポイント超えからは上昇再開とみて70ポイント台への上昇を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.45円を下値支持線、4.49円を上値抵抗線とする。
(2)4.45円を上回るうちは上昇余地ありとし、4.49円超えからは4.50円、4.51円を順次試す上昇を想定する。4.50円以上は反落注意とするが、4.47円を上回っての推移なら31日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.45円割れからは4.44円、4.43円前後を順次試す下落を想定する。4.43円前後は反騰注意とするが、4.45円を下回っての推移なら31日も安値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の主な予定】
10月30日
16:00 10月 経済信頼感指数 (9月 95)
10月31日
16:00 9月 貿易収支確報 (8月 -49.9億ドル、予想 -37億ドル)
16:00 7-9月 海外観光客収入 (4‐6月 148.8億ドル)
16:30 トルコ中銀 四半期インフレ報告 年末インフレ率 (前期 38.0%)
17:00 9月 海外観光客数 前年同月比 (8月 2.47%)
20:30 週次 外貨準備高・グロス 10月25日時点 (10月18日時点 937.9億ドル)
20:30 週次 外貨準備高・ネット 10月25日時点 (10月18日時点 606.6億ドル)
11月1日
16:00 10月 イスタンブール製造業PMI (9月 44.3)
11月2日
17:00 10月 貿易省・貿易収支速報 (9月 -51.2億ドル)
11月4日
16:00 10月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (9月 2.97%)
16:00 10月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (9月 49.38%)
16:00 10月 コアCPI(食品エネルギー等除く) 前月比 (9月 3.6%)
16:00 10月 コアCPI(食品エネルギー等除く) 前年同月比 (9月 49.1%)
16:00 10月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (9月 1.37%)
16:00 10月 PPI(生産者物価指数) 前年同月比 (9月 33.09%)
注:ポイント要約は編集部
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