選挙明けの円の動向には警戒、豪CPI次第ではNZドルがやや強含むか
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、9月貿易収支が前月比で大きな変化はなかったが、円が主要通貨に対して売られたことなどが影響して、9月27日以来となる92円台を付ける場面も見られた。
経済的なつながりが強い中国は、中国人民銀行が、中国で事実上の政策金利の役割をする最優遇貸出金利(ローンプライムレート)1年物を3.35%から3.10%に、5年物は3.85%から3.6%にそれぞれ0.25%引き下げた。金利引き下げは3カ月ぶりで今年3回目。中国当局は、9月24日の銀行預金準備率引き下げから矢継ぎ早の対応を行っており、10−12月期GDPの反転を達成するため、年内いっぱいは中国当局から追加の景気浮揚策が出続けるとの観測。この発表を受けて、上海総合指数、香港ハンセン指数はともに大幅高とはならなかったが、しっかりとした動きとなった。
また、11月5日投開票を迎える米大統領選挙でトランプ元大統領が優勢との声が強まっていることで米金利が上昇。日米金利差が拡大していることなどから、円キャリートレードがやや活発化している様子。円が主要通貨に対して売られたことも、NZドルしっかりの材料となった。
NZドル・円(東京時間:10月21日―10月25日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 90円90銭
高値: 92円04銭
安値: 90円53銭
終値: 91円25銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
10月22日
6時45分、9月貿易収支、前回:−23.06億NZドル、結果:−21.08億NZドル
10月31日
9時00分、10月ANZ企業間信頼感、前回:60.9
11月1日
6時45分、9月住宅建設許可、前回:−5.3%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週のNZドルは、目立った経済指標の発表が予定されていないことから、消費者物価指数(CPI)や小売売上高発表を控える隣国の豪ドルに振らされる展開となりそうだ。
豪ドルはNZドルに対してやや強く、足元1.10NZドルで推移しており、7月末の1.11NZドルを窺う展開となっている。オーストラリアは主要国で利下げをまだ実施していない数少ない国だ。一方、ニュージーランドは既に2会合連続で利下げを実施しており、今年最後11月27日のNZ準備銀行による金融会合でも大幅な利下げ実施が見込まれている。10月30日に発表される豪CPIでインフレ鈍化が確認された際は、12月利下げ観測が再燃し、豪ドル安・NZドル高に転換する可能性はあるので注目されよう。
NZドル円日足
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