選挙明けの円乱高下に警戒、CPIの結果次第では12月利下げ観測再燃の可能性も
【今週の豪ドル】
今週の豪ドルは、目立った経済指標の発表が無かったことから中国市場にらみで小動きとなったが、100円から101円台でのしっかりとした推移は確認できた。
経済的なつながりが強い中国は、中国人民銀行が事実上の政策金利の役割をする最優遇貸出金利(ローンプライムレート)1年物を3.35%から3.10%に、5年物は3.85%から3.6%にそれぞれ0.25%引き下げた。金利引き下げは3カ月ぶりで今年3回目。9月24日の銀行預金準備率引き下げから矢継ぎ早の対応を行っているが、10−12月期GDPの反転を達成するため、年内いっぱいは中国当局から追加の景気浮揚策が続くとの観測。
この発表を受けて、上海総合指数、香港ハンセン指数はともに大幅高とはならなかったが、小じっかり。豪ドルは中国株を横目に見た展開となり、堅調推移となった。また、円がドル、ユーロなど主要通貨に対して売られたことも豪ドルしっかりの要因に。
豪ドル・円(東京時間:10月21日―10月25日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 100円32銭
高値: 101円72銭
安値: 99円93銭
終値: 100円84銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
10月30日
9時30分、第3四半期消費者物価指数(前期比)、前回:1.0%、市場予想:0.5%
9時30分、第3四半期消費者物価指数(前年比)、前回:3.8%、市場予想:3.0%
9時30分、9月消費者物価指数(前年比)、前回:2.7%、市場予想:2.5%
10月31日
9時30分、9月住宅建設許可(前月比)、前回:−6.1%、市場予想:2.0%
9時30分、9月小売売上高(前月比)、前回:0.7%、市場予想:0.6%
11月1日
9時30分、第3四半期生産者物価指数(前期比)、前回:1.0%
9時30分、第3四半期生産者物価指数(前年比)、前回:4.8%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週の豪ドルは、中国株や円の動向を確認しつつ、10月末から11月頭にかけて発表される豪経済指標を睨んでの展開となろう。特に30日の第3四半期及び9月の消費者物価指数(CPI)が重要視される。
8月のCPIは前年比2.7%増と7月の同3.5%増から大幅に減速し3年ぶりの低い伸びとなった。政府による電気料金の補助やガソリン価格の下落を受けた。9月CPIの市場予想は同2.5%に留まっており、さらなるインフレ鈍化が見込まれている。第3四半期CPIも前年比3.0%増と第2四半期の同3.8%増と比べて大幅な鈍化が見込まれていることから、想定通りの数値となれば、後退していた今年最後に開催される12月10日金融会合での利下げ実施観測が再燃する可能性はある。
翌31日の9月小売売上高や、11月1日の第3四半期生産者物価指数なども見極める必要はあるが、オーストラリアは日本を除く主要国で唯一利下げを実施していないことなどから、CPI発表に対する市場の関心は非常に高い。
日足の一目均衡表では、雲上限水準を上に放れつつある。基準線が上向きとなったほか、遅行スパンも実線及び雲を上放れていることからトレンドは強まりそうだ。上値抵抗線として意識されていた100日移動平均線も上回っていることから、7月24日以来の102円台回復も見えてこよう。豪経済指標や円の動向、中国株の方向性など確認する内容は多々あるが、豪ドルしっかりの地合いを想定する。
なお、30−31日に日本銀行の金融政策決定会合が開催されるが、追加の利上げ観測等のムードは強まっていないことから目立った売買材料とはならないと考える。ただ、円は、27日の衆議院選挙の結果を受けた急変動に気をつけたい。政権与党が過半数割れという結果となれば、株安及びリスク回避の円買いが強まろう。
豪ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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