乱高下の中国状況を様子見、豪雇用統計でタカ派姿勢が強まるか注目
今週の豪ドルは、目立った経済指標の発表がないなか、国慶節明けの上海総合指数や香港ハンセン指数の乱高下を受けて、様子見ムードが強まった。
経済的なつながりが深い中国では、8日、国慶節明けの上海総合指数が一時前営業日比10%超の急騰でスタートしたが、急激に上げ幅を縮小。香港ハンセン指数も急落するなど荒い値動きとなった。翌9日に、財政大臣が12日に開く会見で、景気下支えに向けた財政政策の強化策を打ち出し、記者の質問も受けると発表したことで、上海総合指数、香港ハンセン指数は下げ渋ったが、上下に振れやすい状況が警戒されて、東京株式市場などアジア市場や為替市場は様子見ムードが強まった。
一方、9月米雇用統計発表後のドルが主要通貨に対して買われたことでドル高円安は進行したが、円は石破首相が衆議院を解散した後も特に方向感に乏しく、豪ドルは対円では100円前後でのもみ合いとなった。
豪ドル・円(東京時間:10月7日―10月11日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 101円26銭
高値: 101円44銭
安値: 99円07銭
終値: 100円08銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
10月8日
8時30分、10月Westpac消費者信頼感指数(前月比)、前回:−0.5%、結果:6.2%
9時30分、9月NAB企業景況感、前回:4.0、結果:7.0
10月16日
8時30分、9月Westpac先行指数(前月比)、前回:−0.05%
10月17日
9時30分、9月雇用者数、前回:4.75万人、市場予想:2.37万人
9時30分、9月失業率、前回:4.2%、市場予想:4.2%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週の豪ドルは、12日の中国財政政策の強化策を受けた中国株の動向や、17日の豪雇用統計に関心が向かう展開となろう。
8日に国家発展改革委員会が記者会見で公表した景気対策が市場の期待に届かなかったとの見方が強まったことから、中国当局は矢継ぎ早の追加対策に動いたと見られる。市場では、地方政府の資金繰り支援やインフラ投資、消費の底上げ、五大銀行の資本増強などの措置が見込まれている。2−3兆元(42兆円―63兆円)規模との予想もあり、12日の発表内容に注目が集まっている。
あまりにも早いピッチで上昇していた中国株が上げ一服となるのは想定線だが、乱高下されると市場の警戒感が高まることから、週明けの中国株は注目だ。特に、14日は東京市場、ニューヨーク市場がともに祝日で休場のため市場参加者は非常に少ない。薄商いが影響して値段が急変する可能性はあるので、乱高下は警戒したい。
一方、17日の豪雇用統計は、8月雇用統計と比べると、雇用者数が鈍化し失業率は横ばいが予想されている。9月19日に発表された8月雇用統計では、雇用者数が4.75万人増加と市場予想を上回ったことで豪ドルは上昇に転じた背景もあり、再度、市場予想を上回る強い雇用情勢が確認できた場合、当然ながら年内利下げ見通しは大幅に後退する。2025年最初のRBA会合が開催される2月(2月17日―18日)から次回(3月31日−4月1日)に利下げ開始時期の見通しが後ずれする可能性はある。タカ派ムードが強まる雇用統計となった場合、中国株を横目に見た地合いではあるが、豪ドルは主要通貨に対して買い優勢となろう。
日足の一目均衡表では、雲上限や転換線水準でのもみ合いが続いている。101円20銭水準の100日移動平均線が上値抵抗として意識されている状況か。ただ、下への動きは限定的でしっかりとした推移も見られる。今後、雲上限をサポートに7月24日以来の102円台回復も間近な状況だ。
豪ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.12.25
東京市場のドルは157円台で推移、植田日銀総裁の余波は弱く一段の円安は回避か(24/12/25)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、植田日銀総裁の発言を受けて、やや円安ドル高に振れ一時157円50銭台まで上昇した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.12.25
ドル円157円台前半、主要市場のクリスマス休暇入りで市場閑散 (12/25午前)
25日午前の東京市場でドル円は小動きに終始。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.12.25
トルコリラ円見通し ドル/トルコリラでリラが反騰、20日未明高値とダブルトップ気配(24/12/25)
トルコリラ円の12月24日は概ね4.49円から4.43円の取引レンジ、25日早朝の終値は4.44円で前日終値の4.46円から0.02円の円高リラ安だった。
-
オーストラリアドル(AUD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.10.18
豪ドルWeekly 強い雇用情勢で年内利下げ観測は一段と後退、中国情勢睨みの展開は続く(24/10/18)
今週の豪ドルは、良好な雇用情勢が確認できた一方、不安定な中国情勢が上値を押さえたことなどから100円台でのもみ合いとなった。
-
オーストラリアドル(AUD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.10.04
豪ドルWeekly 円安加速で7月以来の101円台、豪経済指標まちまちもトレンドは強い(24/10/4)
豪ドルは7月30日以来となる101円台まで上昇した。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。