『トルコ中銀は声明文から「引き締め」を示唆する文言を削除』
〇今週のトルコ円、週末にかけて、週間高値4.23まで上昇
〇米FOMCの大幅利下げ、トルコ株堅調、トルコ利下げ観測の台頭等が支え
〇テクニカルには主要テクニカルポイントを上抜け、地合い改善
〇ファンダメンタルズもトルコ経済復調期待、トルコへの海外資金流入期待等がトルコ円をサポート
〇トルコリラ円相場の見通しを、従来までのベア(弱気)からブル(強気)へと変更
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):4.10ー4.40
今週のレビュー(9/16−9/20)
今週のトルコリラ円相場は、週初4.15円で寄り付いた後、早々に史上最安値となる4.10円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)米FOMC(米連邦公開市場委員会)での50bpの大幅利下げ決定(米FRBによるハト派化は新興国通貨の上昇要因)や、(2)株式市場の堅調推移(トルコ株は約2週間ぶり高値圏へと急上昇→リスク選好ムード再開)、(3)トルコ中銀会合でのハト派的な声明発表(従来は、Monetary policy stance will be tightened in case a significant and persistent deterioration in inflation is foreseen-インフレ率の大幅かつ持続的な悪化が予想される場合には、金融政策スタンスは引き締められる-との文言で文中に「tightened」という用語が用いられていたが、今回は、Monetary policy tools will be used effectively in case a significant and persistent deterioration in inflation is foreseen-インフレ率の大幅かつ持続的な悪化が予想される場合には、金融政策手段を効果的に使用する-との文言で「tightened」という用語が削除)、
(4)上記3を背景としたトルコ中銀による早期利下げ観測台頭(トルコ中銀による利下げがトルコ経済を下支えするとの見方→外国人投資家による資金流入期待)、(5)トルコ9月消費者信頼感指数(結果78.2、前回76.4)の前月比改善が支えとなり、週末にかけて、週間高値4.23円まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間9/21午前5時00分現在)では、4.22円前後で推移しております。
来週の見通し(9/23−9/27)
トルコリラの対円相場は週明け早々に史上最安値を更新するも、米FOMCでの50bpの大幅利下げ決定や、トルコ中銀会合でのハト派な声明発表を背景に、週央以降持ち直す動きとなりました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線、21日線、ボリンジャーミッドバンド)を上抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの改善を期待させるチャート形状となりつつあります。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)トルコ経済の復調期待(トルコ国内のインフレが鈍化→トルコ中銀が声明文の中から「tightened」という用語を削除→トルコ中銀による早期利下げ観測台頭→トルコ中銀の利下げがトルコ経済を下支えするとの期待感拡大)や、
(2)政府・中銀による政策正常化期待、(3)米FRBによる大幅利下げ決定およびハト派化(対ドルでのリラ買い圧力)、(4)上記1、2、3を背景とした外国人投資家による資金流入再開期待(格付け会社による格上げ決定や、運用会社によるトルコアセットの組み入れ再開)など、トルコリラの上昇を連想させる材料が増えつつあります。パレスチナ自治区ガザの停戦交渉が進展するとの期待感もトルコリラを下支えすると見られることから、当方では、トルコリラ円相場の見通しを、従来までのベア(弱気)からブル(強気)へと変更いたします(目先は9/2に記録した高値4.35円や、8/15に記録した高値4.45円を試すシナリオを想定)。尚、来週は9/24に予定されているトルコ9月製造業信頼感指数や、トルコ9月設備稼働率に注目が集まります。
来週の予想レンジ(TRYJPY):4.10ー4.40
注:ポイント要約は編集部
トルコリラ円日足
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.12.21
南アランド円週報:『日米金融政策イベントを経て乱高下するも方向感を見出せず』(12/21朝)
南アランドの対円相場(ZARJPY)は、日米金融政策イベントを経て乱高下しつつも、方向感を見出すには至りませんでした(一目均衡表の雲の中で上下)。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.12.21
トルコリラ円週報『ドル円との連動相場が続く見通し。トルコ中銀は利下げサイクル開始か』(12/21朝)
トルコリラの対円相場は、12/3に記録した約2ヵ月ぶり安値4.27円(10/4以来の安値圏)をボトムに切り返すと、今週後半にかけて、一時4.50円まで急伸しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.12.21
来週の為替相場見通し:『日米金融政策格差に着目したドル買い・円売り基調が続く見通し』(12/21朝)
ドル円は12/3に記録した約2カ月ぶり安値148.64(10/11以来の安値圏)をボトムに反発に転じると、今週は一時157.93(7/17以来の高値圏)まで急伸しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.09.23
トルコリラWeekly トルコ中銀が「ややハト派」に転換、史上最安値からのリバウンドへ(24/9/23)
先週のトルコリラは、トルコ中央銀行が金融政策委員会にて、「タカ派」から「ややハト派」に転じたことから景気への安心感が意識されて、4.2円台まで上昇した。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.09.20
トルコリラ円見通し ドル円と共に乱高下、日銀金融政策決定会合の結果待ちへ(24/9/20)
トルコリラ円の9月19日は概ね4.22円から4.15円の取引レンジ、20日早朝の終値は4.19円で前日終値の4.18円からは0.01円の円安リラ高だった。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。