円高圧力継続で連日の史上最安値更新
〇昨日のトルコ円、ドル円一時下落で4.10をつけ、取引時間中の史上最安値更新
〇その後ドル円が戻したことで、9/17早朝に4.14まで持ち直す
〇ドル円は7/3天井から二段目の下落期に、トルコリラ円も同様の二段目に
〇FOMCが0.50%利下げで円高が勢いを増す場合、トルコ円の4円割れもあり得るか
〇対ドル、9/16は概ね34.05から33.58の取引レンジ、8/28以降の持ち合い続く
〇トルコ中銀ビジネスサーベイ、年末1ドル37リラ台序盤へのリラ安想定
〇4.12を上回るうちは上昇余地あり、4.15超えからは4.16、4.17を順次試す上昇を想定
〇4.12割れからは下落再開とみて4.09前後への下落を想定
【概況】
トルコリラ円の9月13日は概ね4.18円から4.12円の取引レンジ、14日早朝の終値は4.15円で前日終値の4.18円から0.03円の円高リラ安だった。週間では9月6日終値4.18円から0.03円の円高リラ安、月間では8月30日終値4.29円から0.14円の円高リラ安となった。
9月16日は概ね4.16円から4.10円の取引レンジ、17日早朝の終値は4.13円で先週末終値4.15円からは0.02円の円高リラ安だった。
9月17/18日開催の米FOMCで0.50%の大幅利下げもあり得るとの見方が再び強まったことでドル円が13日深夜に140.27円へ下落して7月3日高値161.94円以降の最安値を更新したため、トルコリラ円も13日19時台安値に4.12円を付けて11日午後安値4.13円を割り込んで取引時間中の史上最安値を更新した。
16日はドル円が一時140円を割り込んだ局面で4.10円(ベンダーによっては4.09円等)へ安値を切り下げて取引時間中の史上最安値を更新し、その後にドル円が戻したことで17日早朝に4.14円まで持ち直したものの、日足終値は3日連続の史上最安値更新となった。
【ドル円は7月3日天井から二段目の下落期に、トルコリラ円も同様の二段目に】
ドル円は9月11日に8月5日安値141.69円を割り込んだ段階で7月3日高値161.94円を起点とした下落が8月5日までを一段目とし、8月15日の戻り高値からの下落で底割れしたことにより二段目の下落期に入り9月13日安値140.27円へ続落した。8月5日の世界連鎖株安時の急落で付けた日足及び週足の長い下ヒゲからの反発を解消して一段安したことにより、2023年1月16日にかけての下落規模を超えてゆくことも懸念される。
トルコリラ円は円高とリラ安が重なったために8月28日への下落時に8月5日安値を割り込んで7月3日高値以降の下落が二段目に入っており、9月2日へ戻してから一段安に入っているためドル円よりも下落継続感が強い印象だ。
今週は米FOMCの利下げ幅と今後の利下げペースが最大の焦点となり、内容次第ではいったんドル高反応を見せてドル円と共にトルコリラ円も反騰が入る可能性もあるが、ドル/トルコリラが膠着状態の中で米国の利下げ期入りと日銀の追加利上げ模索姿勢を踏まえれば戻りは短命に終わり、8月15日から9月2日へ高値を切り下げてきた右肩下がりの展開からは抜け出せないのではないかと思われる。FOMCが0.50%の大幅利下げを決定して円高が勢いを増す場合はトルコリラ円の4円割れもあり得ると警戒したい。
【ドル/トルコリラは8月28日以降の持ち合い続く】
ドル/トルコリラの9月13日は概ね34.00リラから33.65リラの取引レンジ、14日早朝の終値は33.88リラで前日終値の33.91リラから0.03リラのドル安リラ高だった。
週間では9月6日終値33.95リラから0.07リラのドル安リラ高で、週間足では2週連続で史上最安値更新を回避した。月間では8月30日終値34.07リラから9月13日終値時点で0.19リラのドル安リラ高となり6月から8月への3か月連続最安値更新が途絶えつつあるが33リラ台前半へは進めずにリラ買いの勢いも鈍い。
9月16日は概ね34.05リラから33.58リラの取引レンジ、17日早朝の終値は33.98リラで先週末終値の33.88リラからは0.10リラのドル高リラ安だった。9月2日高値33.62リラを若干超えたところを売られて34リラを一時超えた。
8月28日に34.41リラへ取引時間中の最安値を大幅に更新し、8月30日終値34.07リラを終値としての最安値とした後は34リラを挟んだ持ち合いを続け、10日から13日までは小幅ながら4営業日連続のドル安リラ高で推移していたが、16日は5日ぶりのドル高リラ安となり上値の重さを再認識させている。
【トルコ中銀ビジネスサーベイ、年末1ドル37リラ台序盤へのリラ安想定】
トルコ中銀によるエコノミストや企業トップに対する市況予想調査=ビジネスサーベイが13日に公表された。
インフレ見通し(CPI前年比)は2024年末で43.14%、12か月後で27.49%へ低下するとして8月時点の43.31%及び28.71%から引き下げられた。2024年末の為替レート予想平均値は1ドル37.1599リラと見込まれて前月の37.2760リラから引き下げられたが、2024年GDP見通しは前月の3.4%から3.2%へ下方修正された。また政策金利の週間レポレートは現行の50.0%から3か月後に46.48%(前月予想は48.10%)へ、12か月後は31.66%(前月予想は33.30%)へ引き下げられるとの予想が示された。
エコノミストらはインフレが鈍化するものの高成長への転換には至らずにGDPが低迷し、為替レートも今年序盤に1ドル40リラ台と予想されていたところからかなり下方修正されてきたがそれでも現状の1ドル34リラ近辺から1ドル37リラ台へさらにリラ安が進行すると見込んでいる。
インフレが鈍化すれば中銀も年末までに利下げへ踏み込むとの見方が優勢のようだが、年末にかけて5%ずつの大幅利下げが連続するとは見込んでいないようだ。
【60分足 一目均衡表・サイクル分析】
トルコリラの概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、9月11日午後安値をサイクルボトムとした強気サイクル入りとして12日の日中から16日夜にかけての間への上昇を想定したが、12日午後に高値を切り上げてから失速したために13日午前時点ではすでに弱気サイクル入りしている可能性があるとした。
9月12日午後高値を直近のサイクルトップとして弱気サイクル入りしたが、16日夕刻へ史上最安値を更新してから戻しているため、16日夕安値を割り込む場合は新たな弱気サイクル入りとするのを妥当とみて16日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして17日の日中から19日午後にかけての間への上昇を想定する。ただし、4.12円割れからは弱気転換注意とし、16日夕安値4.10円割れからは弱気サイクル入りとして19日午後から23日夕にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では16日夕安値からの反発で遅行スパンが好転しつつあるが先行スパン下限には届いていない。遅行スパン好転中は高値試し優先として先行スパンへ潜り込む場合はその上限への上昇を想定するが、遅行スパンが再び悪化するところからは下落再開とする。
60分足の相対力指数は9月11日午後から16日夕への一段安に際して指数のボトムが切り上がる強気逆行がみられるため45ポイントを上回るうちは60ポイント台への上昇余地ありとするが、60ポイント前後は反落警戒とし、45ポイント割れからは下落再開とみて30ポイント前後への低下を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.12円を下値支持線、4.15円を上値抵抗線とする。
(2)4.12円を上回るうちは上昇余地ありとし、4.15円超えからは4.16円、4.17円を順次試す上昇を想定する。4.16円以上は反落警戒とするが、4.13円を上回っての推移なら18日も高値試しへ向かう可能性があるとみる。
(3)4.12円割れからは下落再開とみて4.09円前後への下落を想定する。4.09円前後は買われやすいとみるが、4.12円を下回っての推移なら18日も安値試しへ向かいやすく、下げ足が速まる場合は4.08円以下へ下値目途を引き下げる。
【当面の主な予定】
9月19日
20:00 トルコ中銀 政策金利・週間レポレート (現行 50.0%、予想 50.0%)
20:30 週次 外貨準備高 9月13日時点
9月20日
16:00 9月 消費者信頼感指数 (8月 76.4)
23:30 8月 中央政府債務 (7月 8兆1060億リラ)
9月24日
16:00 9月 製造業信頼感指数 (8月 98.5)
16:00 9月 設備稼働率 (8月 75.4%)
17:00 8月 海外観光客数 前年同月比 (7月 2.6%)
注:ポイント要約は編集部
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