トルコリラ円見通し ドル/トルコリラは大幅に史上最安値を更新、リラ売り圧力続く(24/8/29)

トルコリラ円の8月28日は概ね4.26円から4.16円の取引レンジ、29日早朝の終値は4.23円で前日終値と変わらなかった。

トルコリラ円見通し ドル/トルコリラは大幅に史上最安値を更新、リラ売り圧力続く(24/8/29)

ドル/トルコリラは大幅に史上最安値を更新、リラ売り圧力続く

〇昨日のトルコ円、4.16をつけて8/26に続き再び取引時間中の最安値更新
〇ドル円が三角持ち合い下放れる場合、トルコ円への売り圧力が強まりやすい
〇対ドル、8/28は概ね34.41から33.82の取引レンジ、取引時間中及び終値の史上最安値更新
〇年末に向け1ドル37リラ台へ下落基調継続とのコンセンサスに沿ってリラ売りが加速している印象
〇8/28発表のトルコ7月貿易収支確報、貿易赤字が拡大
〇来週は2QGDP、8月消費者物価指数の発表予定
〇4.26超えからは4.27、4.28を順次試す上昇を想定
〇4.20割れからは4.16前後への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の8月28日は概ね4.26円から4.16円の取引レンジ、29日早朝の終値は4.23円で前日終値と変わらなかった。
8月26日午前にドル円が一段安した局面で一時4.16円台(ベンダーによっては4.20円や4.18円等)へ急落して取引時間中の史上最安値を更新し、27日終値4.23円で終値ベースの最安値を更新したが、28日午前に再び4.16円(ベンダーによっては4.18円や4.05円等の極端な安値も見られた)を付けて取引時間中の最安値を更新してから持ち直したために終値では前日比変わらなかったものの、ベンダーによっては終値を4.21円として最安値更新としている。
8月26日午前と28日午前の極端な安値は流動性の低い状況で付けていると思われるが、終値ベースでの下落基調は鮮明であり、今後も流動性の低い時間帯で安値を付けやすいと注意したい。

今夜は米4-6月期GDP改定値や新規失業保険申請件数等、明日夜には米7月PCEデフレーターやシカゴPMI及びミシガン大消費者信頼感指数等の重要指標発表が相次ぐ。ドル円は8月26日午前安値143.45円から27日夕高値145.17円へ戻した後はこの高安レンジ内での騰落に留まり三角持ち合いの様相だが、米国の9月利下げ開始と日銀の年末へ向けた追加利上げを探る姿勢の差を踏まえれば円高基調が続きかねないところであり、三角持ち合いを下放れる場合はトルコリラ円を含めてクロス円全般への売り圧力が強まりやすいと注意したい。

【ドル/トルコリラは取引時間中及び終値の史上最安値更新】

ドル/トルコリラの8月28日は概ね34.41リラから33.82リラの取引レンジ、29日早朝の終値は34.03リラで前日終値の34.00リラから0.03リラのドル高リラ安だった。ベンダーによっては終値34.14リラとされている。
8月23日に34.01リラを付けて初めて1ドル34リラ台に到達してからもリラ安基調が続き、28日は34.41リラへ取引時間中の最安値を大幅更新した。終値では27日に34.00リラを付けて最安値としていたが28日終値も連日の最安値更新となった。

8月20日にトルコ中銀が政策金利の週間レポレートを5会合連続で50.0%に据え置いて金融引き締めを継続し、トルコCPI前年比は5月の75.45%をピークとして7月に61.78%まで鈍化してきたが、直近のトルコ経済指標は冴えないデータが続いており、まだまだ高いインフレと高金利及び増税・緊縮財政によりトルコ景気の力強い回復へ進めずにいるため、年末に向けて1ドル37リラ台へ下落基調が続くとのコンセンサスに沿ってリラ売りが加速している印象だ。

8月28日にトルコ統計局が発表した7月貿易収支確報では貿易赤字が72.9億ドルとなり7月の58.9億ドルから拡大した。速報に近い数字のため市場の反応は限定的だったが、来週には貿易省による8月貿易収支速報の発表もあり赤字基調が続くと思われる。
来週は9月2日に4-6月期GDP(1-3月は前期比2.4%増、前年比5.7%増)、3日に8月消費者物価指数の発表があるため、成長加速感がみられてインフレの顕著な鈍化が確認されればリラ売りが落ち着く可能性があるものの、GDP低迷が続くようだとリラ売りがさらに勢い付く可能性も懸念される。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、8月26日午前に4.20円割れへ急落してからの反騰により27日午前時点では26日午前安値をサイクルボトムとした強気サイクル入りとしたが、8月28日午前の反落により27日夕高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして29日午前から9月2日午前にかけての間への下落を想定した。
28日午前に一時的な急落後に戻したものの27日夕高値には届かずにいるためまだ一段安余地ありとするが、28日午前安値を直近のサイクルボトムとして次のボトム形成期が9月2日午前から4日午前にかけての間へ延びる可能性もあると注意する。強気転換は27日夕高値4.27円超えからとし、その場合は30日の日中から9月3日夕にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では遅行スパンと先行スパンが実線と交錯を繰り返しているため、先行スパンを上回るうちは遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、連続的な下落で先行スパンから転落する場合は下落再開とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は8月28日夜に60ポイントへ迫ってから40ポイントを割り込み29日午前も40ポイント台にとどまっているのでまだ20ポイント台への下落余地ありとし、55ポイント超えからは上昇継続とみて60ポイント台前半への上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.20円を下値支持線、4.26円を上値抵抗線とする。
(2)4.23円から4.26円手前にかけては戻り売り有利とみる。4.26円超えからは4.27円、4.28円を順次試す上昇を想定するが4.28円以上は反落注意とする。
(3)4.20円割れからは4.16円前後への下落を想定する。4.16円前後は買われやすいとみるが、下げ足が速まる場合は4.13円前後へ下値目途を引き下げる。

【当面の主な予定】

8月29日
 16:00 8月 経済信頼感指数 (7月 94.4)
 20:30 週次 外貨準備高 8月23日時点 グロス (8月16日時点 941.5億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 8月23日時点 ネット (8月16日時点 477.8億ドル)

9月2日
 16:00 4-6月 GDP 前期比 (1-3月 2.4%)
 16:00 4-6月 GDP 前年同期比 (1-3月 5.7%)
 16:00 8月 イスタンブール製造業PMI (7月 47.2)

9月3日
 16:00 8月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (7月 3.23%)
 16:00 8月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (7月 61.78%)


注:ポイント要約は編集部

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