『リスクオン再開で約2週間ぶり高値を更新。対ドル相場は約1年ぶり高値圏へ』
〇今週の南ア円、週末にかけ週間高値8.30円まで急伸、8.27前後で推移
〇南ア指標の好調、株式市場の持ち直し、金・プラチナ価格の堅調、ドル円急上昇等が背景
〇テクニカルには、日足が主要テクニカルポイントを軒並み上抜け、買いシグナルも点灯、地合い強い
〇ファンダメンタルズも南ア経済復調期待、政治安定化期待、円キャリー再開期待等がサポート
〇引き続き、南アランド円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.15ー8.45
今週のレビュー(8/12−8/16)
今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初8.01円で寄り付いた後、早々に週間安値8.00円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)南ア7月SACCI景況感指数(結果109.1、前回107.8)の良好な結果や、(2)南ア6月小売売上高(結果+4.1%、予想+1.0%)の力強い結果、(3)株式市場の持ち直し(世界的な株価持ち直しを背景に南ア株が史上最高値更新→リスクオン再開に伴う南アランド買い)、(4)金・プラチナ価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)、(5)ドル円相場の急上昇(良好な米経済指標を背景に米国のハードランディング懸念が後退→米FRBによる大幅利下げ観測後退→米金利上昇→ドル円急伸→南アランド円連れ高)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値8.30円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/17午前0時00分現在)では、8.27円前後で推移しております。尚、今週発表された南ア4ー6月期失業率(結果33.5%、予想31.8%)は冴えない結果となりましたが、市場の反応は限られました。
来週の見通し(8/19−8/23)
南アランドの対円相場(ZARJPY)は、8/5に記録した約7カ月ぶり安値7.60円をボトムに切り返すと、今週後半にかけて、一時8.30円まで急伸しました(対ドル相場は昨年8/1以来となる約1年ぶり高値を更新)。この間、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線、200日移動平均線、21日移動平均線、一目均衡表基準線)を上抜けした他、4時間足などの下位足で強い買いシグナルが複数点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いの回復を強く印象付けるチャート形状となりつつあります。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南アフリカ経済の復調期待(失業率は悪化したものの、今週発表された南ア7月SACCI景況感指数、南ア6月小売売上高はいずれも良好な結果)や、(2)南アフリカの政治安定化期待(中道右派で経済重視の野党第一党を含む国民統一政府による政治基盤の安定化期待→外国人投資家による資金流入拡大観測)、(3)円キャリートレードの再開期待(日銀による追加利上げ観測が後退する中、南アランドと日本円の金利差に着目した円キャリートレードが再開)、(4)金・プラチナ価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)、(5)南ア株の史上最高値更新(リスクオン相場再開→対ドル・対円共に南アランドに上昇圧力)など、南アランド円相場の持ち直しを連想させる材料が揃っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は8/21に予定されている南ア7月消費者物価指数に注目が集まるものの、南アフリカのインフレ鈍化と、南ア中銀による9月利下げは既に織り込み済みとなっているため、余程大きなサプライズが見られない限り、南アランドに与える影響は限定的となりそうです。
来週の予想レンジ(ZARJPY):8.15ー8.45
注:ポイント要約は編集部
南アフリカランド円日足
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