調整局面は継続、90円割れの攻防を迎える
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、政府・日銀による円買い介入への警戒感が高まるなか、目先のサポートラインだった100日移動平均線や、一目均衡表の雲をそれぞれ下回る弱い地合いとなった。
28日に発表された3月ANZ企業信頼感は22.9と前回34.7を大幅に下回る結果となった。GDPが2四半期連続でマイナス成長となるなどニュージーランド経済の不透明感が強まっていたこともあり、NZドルは90円17銭まで下落。2月6日以来となる90円台割れを試す展開を迎えた。
また、27日、ドルが151円97銭と2022年高値151円96銭を上回ったことで、日本当局関係者による円安けん制発言が相次ぐなど為替介入警戒ムードが強まったことも、NZドルの上値を抑える要因となった。
NZドル・円(東京時間:3月25日―3月29日(終値は9時台終値を参照))※Investing.comの日足を参照
始値:90円83銭
高値:91円28銭
安値:90円17銭
終値:90円38銭
【今週と来週の重要指標】
※時間は東京時間
3月28日
9時00分、3月ANZ企業信頼感、前回:34.7、結果:22.9
4月4日
6時45分、2月住宅建設許可、前回:−8.8%
※予定は変更することがございます。
【来週の見通し】
来週のNZドルは、目立った経済指標の発表が予定されていないなか、ニュージーランド経済の不透明感、政府・日銀による円買い介入懸念などが重しとなって弱い展開となりそうだ。
長期的なトレンドは、一目均衡表にて「三役好転」が示現していることから、14年12月以来の94円台をターゲットとした強いトレンドは継続したままと考えるが、短期的にはトレンドは弱い。
日足の一目均衡表では、雲下限での攻防を迎えており、遅行スパンは実線を下回っているほか、基準線、転換線も下向きとなりそうな状況だ。また、一目均衡表の雲下限同様、足元サポートラインとして機能していた100日移動平均線を割り込んでいることもネガティブだ。
早いタイミングでこうした節目の水準を回復できるかが注目となるが、3月安値だった3月15日90.36円を明確に下回っていることから下へのバイアスが強まりやすい。
政府・日銀による円買い介入への警戒感が高まっている状況下、買戻し以外でのNZドル買いは入りにくいと想定する。日本当局は為替介入の「スタンバイ」ができていることから、投機筋も円売りポジションを積極的に積み上げるのは難しいと考える。2022年10月21日と24日に政府・日銀が円買い介入を行った際、NZドルはいずれの日も2円超乱高下した過去がある。短期投資家からするとボラタイルな展開なので、仕掛けたいところだが、「往復ビンタ」には気を付けてほしい。
2月26日の高値93.56円をつけた後の調整局面は継続と想定。90円台を割り込むと2月1日の安値89円14銭水準が意識されよう。
NZドル円日足
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