短期的には正念場を迎えた状況、100MA割れに警戒
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、目立った売買材料に乏しいなか、豪ドルが横ばい推移だったことから、下げ渋る展開となったが、週末にかけて軟調推移となっている。
15日に発表された2月製造業PMIは、前回の47.5を大きく上回る49.3という結果だったが、NZドルへの影響は限定的。14日に91円台まで戻していたが、発表後は90円台半ばとNZドル売りの反応を示した。
11日以降、終値ベースでは50日移動平均線を下回っており、短期的なトレンドはやや下向きとなっており、100日移動平均線や一目均衡表の雲上限を試す格好を迎えている。
NZドル・円(東京時間:3月11日―3月15日(終値は9時台終値を参照))※Investing.comの日足を参照
始値:90円97銭
高値:91円28銭
安値:90円43銭
終値:90円65銭
【今週と来週の重要指標】
※時間は東京時間
3月13日
6時45分、2月食料品価格(前月比)、前回:1.2%、結果:−0.6%
3月15日
2月製造業PMI、前回:47.5、結果:49.3
3月20日
6時45分、第4四半期GDP(前年比)、前回:−0.6%、市場予想:0.1%
6時45分、第4四半期GDP(前期比)、前回:−0.3%、市場予想:0.1%
※予定は変更することがございます。
【来週の見通し】
来週のNZドルは、20日に第4四半期GDPの発表を控えているが、その前日19日にオーストラリア準備銀行(豪中銀、RBA)による政策金利発表を控えていることから、豪ドルの動向次第という展開となりそうだ。
RBA政策理事会の市場コンセンサスは4.35%の金利水準を据え置くとの公算だが、早ければ6月にも利下げ開始との見方が多い。米連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)も利下げ開始時期の議論が市場の話題となっており、各中央銀行の金融政策を巡る思惑が交錯。為替市場は賑やかだ。
来週のNZドルはRBA政策理事会の結果を見極め、という展開を想定するが、短期的なテクニカルでは正念場を迎えている。50日移動平均線を下回ったことで、目先、日足の一目均衡表の雲上限90円60銭水準で推移。この下には100日移動平均線が90円30銭水準に控えていることから一定の下値サポートとなりそうだが、こうした水準を下回ると心理的な節目の90円台、もしくは雲下限89円80銭水準割れが意識されよう。
雲下限割れは今年1月3日以来となるが、雲下限と100日移動平均線を同時に割り込むのは、昨年12月18日以来となる。2月26日につけた高値93円56銭からの調整は、足元の91円前半で止まったような印象はあるが、100日移動平均線や雲上限、雲下限をそれぞれ割り込むと、下値模索の展開は継続となろう。
長期的なトレンドは、一目均衡表にて「三役好転」が示現していることから、14年12月以来の94円台をターゲットとした強いトレンドは継続している。NZドルの長期的なトレンドはまだ崩れていないが、短期的には正念場を迎えたと言えよう。
NZドル円日足
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