売り一巡のチャート形状だが、日銀会合など警戒要因多い
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、目立った経済指標の発表が無かったことから豪ドルにややつられる格好となり、50日移動平均線水準(90円90銭)手前まで下げる場面が見られた。
7日に発表された第4四半期製造業活動は−0.7%と前回の−2.8%よりも改善したが、NZドルへの影響は限定的。ただ、3月18-19日の日銀金融政策決定会合にて、一部出席者がマイナス金利政策の解除が妥当だと意見表明する見通しと報じられていることから、投機筋による円売りポジションがやや解消されたとの観測。NZドルは一時91円台を割り込む場面が見られた。
一方、91円水準は今年1月11日から2月上旬にかけての上値抵抗線だったことから、今後、この水準が下値支持線として意識されやすい。50日移動平均線も控えていたことから、一気に90円を割り込むような展開は回避された。結局、週を通してNZドルの上下の値幅は1円未満と狭い値幅での推移となった。
NZドル・円(東京時間:3月4日―3月8日(終値は9時台終値を参照))※Investing.comの日足を参照
始値:91円64銭
高値:91円89銭
安値:90円95銭
終値:91円28銭
【今週と来週の重要指標】
※時間は東京時間
3月7日
6時45分、第4四半期製造業活動、前回:−2.8%、結果:−0.7%
3月13日
6時45分、2月食料品価格(前月比)、前回:0.9%
3月15日
2月製造業PMI、前回:47.3
※予定は変更することがございます。
【来週の見通し】
来週のNZドルは、ニュージーランド、オーストラリアで目立った経済指標の発表が予定されていないことから、ドルや円の動向が重要視されよう。短期的なチャート形状では、50日移動平均線手前で下影(下ヒゲ)を残していることから下げ基調は一服と考える。
まずはドルだが、5日の米国スーパーチューズデー(11月の米大統領選挙に向けて、共和党、民主党の候補者選挙が集中する日)にて、共和党大統領候補者にトランプ前大統領が指名されることがほぼ確実視される結果となったことから、「もしトラ」から「ほぼトラ」もしくは「本トラ(本当にトランプ前大統領がカムバックする)」が強く意識され始めている。
トランプ前大統領は「ドル安を良し」とする考え方が根底にあることから、足元積み上がっていた円売りポジションを解消する動きが強まっていると推測。主にドルに対する円売りポジションがメインだが、NZドルも含まれていることからNZドルは売られやすい地合いと考える。
また、円に関しては、3月18-19日に開催される日銀金融政策決定会合にて、一部出席者がマイナス金利政策の解除が妥当だと意見表明する見通しと報じられた。アドバルーン的な観測記事(反応を見たいので、日銀関係者がメディアに書かせた可能性)と思うが、為替市場では円高、株式市場では銀行株買いが入るなどそれなりの反応が見られる。
日銀会合開催まではまだ日にちがあるため、報道の第二弾、第三弾が伝わる可能性もあることから、円高傾向が強まる余地はもう少しありそうだ。特に直前である来週末の土日辺りの報道は要注意と考える。
長期的には、一目均衡表にて「三役好転」が示現しており、14年12月以来の94円台をターゲットとした展開は継続している。いったん小休止のような格好ではあるが、上昇トレンドは崩れていないのでじっくり下値メドを確認したいところだ。
NZドル円日足
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