28日の政策金利発表に注目、強いトレンド発生で94円台も視野に
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、28日に予定されているニュージーランド準備銀行(NZ中銀)による追加利上げ観測を材料に上昇が継続。15年4月以来の92円台に乗せた後は、15年1月以来の93円台まで買われた。
12日の議会委員会でのオアNZ中銀総裁の「インフレ(昨年10−12月期の消費者物価指数(CPI)は前年同期比+4.7%)は依然として高すぎる」という発言が刺激材料となり、今年最初となる28日のNZ中銀による政策金利発表での追加利上げ思惑が日に日に高まった。
市場コンセンサスは「据え置き」となっているが、主だった国の中央銀行が利下げ時期を探っているなか、NZ中銀の「タカ派」姿勢が際立つ格好となっている。サプライズを期待した参加者が集まっている様子。
NZドルは16日から騰勢を強めており5日連続で陽線を残している。急ピッチな上昇に対する短期的な過熱感は意識されそうだが、長期的には14年12月以来の94円台も視野に捉えた状況と言えよう。
NZドル・円(東京時間:2月19日―23日(終値は9時台終値を参照))※Investing.comの日足を参照
始値:91円56銭
高値:93円37銭
安値:91円41銭
終値:93円14銭
【今週と来週の重要指標】
※時間は東京時間
2月21日
6時45分、第4四半期生産者物価指数(前期比)、前回:0.8%、結果:0.7%
2月22日
6時45分、1月貿易収支、前回:−3.23億NZドル、結果:−9.76億NZドル
2月23日
6時45分、第4四半期小売売上高(前期比)、前回:0.0%、市場予想:−0.2%、結果:−1.9%
2月28日
10時00分、政策金利、前回:5.50%、市場予想:5.50%
2月29日
9時00分、2月企業景況感、前回:36.6
3月1日
6時45分、1月住宅建設許可(前月比)、前回:3.7%
※予定は変更することがございます。
【来週の見通し】
来週のNZドルは、28日に行われるNZ中銀の政策金利発表に対する思惑先行で上昇基調が継続しそうだ。短期的な過熱感やイベント通過で乱高下する可能性はあるが、94円台をターゲットとした強い動きは継続すると考える。
隣国のオーストラリアでもオーストラリア準備銀行(豪中銀、RBA)が「タカ派」な姿勢を示しているが、「利下げタイミングが後ろ倒しになる」との観測に留まっており、今時点の主要通貨では、NZドルが唯一利上げ余地を残しているとも言える。実際、豪ドル/NZドルは23年5月以来の1.06まで低下しており、NZドル優勢の地合いは明白だ。
一方、市場コンセンサス通りの据え置きとなった場合、期待感剥落でNZドルは売り圧力が強まる可能性は十分ある。「据え置き」となった場合、NZ中銀の声明で「利上げ余地を残す」といった内容が含まれるかがポイントとなろう。仮にこういったニュアンスが含まれていた場合、いったん売られても値を戻す可能性はある。
短期的なテクニカルでは、強いトレンドが継続している一方、RSIは76、ストキャスティクスは90台とオシレータ―系では「買われすぎ」のサインが出ている。日経平均株価もそうだが、強いトレンドが発生しているとき、オシレーター系では「過熱感」を示すケースが常である。むしろ直近高値を奪還するなど強いトレンド発生の時は、オシレーター系を見ないという強気姿勢も必要だ。
長期的には、一目均衡表では「三役好転」が示現。目立った上値抵抗ラインが存在しないことから、14年12月以来の94円台がターゲットとして意識されよう。28日の重要イベント前にこの水準に到達すると達成感が意識される可能性は十分あるが、足元の上昇の背景には円キャリートレード活発化といった話も出始めていることから買い意欲の強い地合いは継続すると想定する。来週のNZドルは上下に振れる展開となりそうだ。
NZドル円月足
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