ドル円 新規材料乏しい、基本はレンジ取引継続か
〇本日ドル円、東京休場で積極的な動意乏しく、150.35-65と30ポイント程度のレンジ取引
〇150円台と高値圏で推移するも本邦要人からの円安けん制発言なし、16時現在150.55-60で推移
〇ドル円、今週は1円以上動いた日がなく、明らかな膠着の様相
〇本日目立った米経済指標発表や米要人の講演の予定なし、材料的に動意乏しい雰囲気
〇ドル高・円安方向、2/22高値150.69が最初の抵抗、抜ければ150.88が意識されそう
〇ドル安・円高方向、2/22安値の150.00をめぐる攻防に注目、下回ると週間安値149.69がターゲット
〇予想レンジ:150.10-150.90
<< アジア市場の動き >>
アジア市場は引き続き小動き。150円半ばと高値圏での推移ながら、当局の介入警戒感などもあり上値は重かった。
ドル/円は150.50-55円で寄り付いたものの、東京休場のなか積極的な動意は乏しい。150.35-65円といった30ポイント程度のレンジ取引だった。そうしたなか、東京休場もあってか150円台というドル高値圏での推移にもかかわらず、本邦要人からの円安けん制発言も観測されていない。16時現在では150.55-60円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「欧米金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、21日に米FOMCが議事録要旨を公開したことに続き、昨日は欧州のECBが1日実施分の議事録要旨を公表していた。そのなかでは、「利下げ協議は時期尚早だと幅広いコンセンサスがあった」などの見解が示され、市場にはびこる早期利下げ観測に歯止めをかける一助になっていたようだ。それに対し米国は、ジェファーソンFRB副議長が「今年後半から金融引き締めを縮小していくのが適切」、フィラデルフィア連銀総裁は「年内に利下げを実施する可能性があるものの、いますぐ早急にそれを求める向きには注意を促したい」と発言するなど、やはり早期利下げに否定的だった。
対して後者は、引き続きロシアの反体制指導者ナワリヌイ氏死亡が、そこここで思惑を呼ぶ。昨日は同氏の母親が、遺体と対面したことを明らかにしたうえで、遺体の返還は密葬と引き換えとの条件を告げられたと発表したことが話題に。一方、ナワリヌイ氏の妻は訪米しバイデン米大統領と面会を実施したようだ。なお、ナワリヌイ氏の問題とも連関するのか、21日にバイデン氏が発したとされる「プーチン大統領はクレイジーなクソ野郎」コメントが米露の火種として新たに浮上してきた感もある。ロシアのペスコフ報道官は「米国をおとしめる発言であり、稚拙な試みだ」と主張したうえで強く批判していた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、今週に入って以降終日で1円以上動いた日がゼロだ。もっとも動いた20日でさえ75銭幅にとどまっている。明らかな膠着の様相を呈しており、次なる動意に向けたエネルギー蓄積の時間帯に入っているのかもしれない。油断は禁物だが、それからすると本日の欧米市場も大きな値動きを期待しにくく、基本的にはレンジ内での一進一退か。150円挟みの取引が続く可能性がある。
市場は依然として日米金融政策が注視されているものの、早期の日米金利差縮小は予想しにくいとの見方に変化はみられない。つまり、金利差という観点からするとドルはまだしばらく底堅い値動きを続けそう。そうしたなか注視されているのが米株の動き。NYダウなどがさらなる高値トライをたどるとすれば、為替市場もドル買いで反応するといった指摘も聞かれていた。
テクニカルに見た場合、今週のドル/円相場はここまで149.69-150.69円という、ちょうど1円レンジ。もちろん、まだ今週は終わっていないのだが、このまま本日が終われば今年の週間最小レンジを更新することになる。
ただ、若干気になるのは前回同様の光景をみた昨年10月には、そののち足もとの小動きを上抜けたドルは高値151.92円を一時示現したものの、それが当面の高値になって以降、冴えなかったということだ。同様の値動きに要注意という気もしないではない。
本日は目立った米経済指標の発表はなく、米要人による講演など発言機会もとくに予定されていない。週末ということで調整を含めた需給要因には要注意だが、材料的には動きにくそうな雰囲気も。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは150.10-150.90円。ドル高・円安方向は昨日高値150.69円が最初の抵抗。抜ければ150.88円が意識されるが、それでも上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、同じく昨日安値の150円レベルをめぐる攻防にまずは注目。下回ると週間安値149.69円がターゲットに。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
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