シカゴポジション(CME)399
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)
(2023年8月15日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週締日まではオセアニア通貨で米ドル買い、円・ユーロはドル売りになりました。個々の内容では、豪ドルは再度ショート積み上げ、NZドルもややショート戦略開始の兆しが出ています。一方で、円は小幅ながらポジション調整、ユーロは押し目で買い直しをしてきました。
まずは豪ドルですが、約1万枚強の豪ドルショート増になり、締日終値も0.65未満でトリプルボトム抜けになったので、シカゴは新たに豪ドル一段安の相場観を形成しているようです。NZドルも総枚数増でかつショートが1ヶ月ぶりに2,500枚程度まで積み上げているので、先行き相場観が強まる5,000枚越えになるかをみます。オセアニア通貨で揃い踏みしているので、少なくとも短期的には一段安狙いが継続しそうです。
円のポジションは円ショートを2,200枚程度減らし、ポジション調整になっています。8日締日終値が143円30銭台、15日が同145円50銭台なので、ドル高でポジションを手仕舞いしています。その後、16日・17日で146円台半ばを付けましたが、金曜日には小反落しており、明日の締日で更に2・3万枚程度のドルロング減になっていると、今後のドル高局面でもポジション調整の動きが継続しそうです。今後1ヶ月程度のネットポジション残は重要になります。
ユーロは7月中旬に1.1270台の高値を付けてから利確先行のポジション調整でしたが、1.10割れの押し目でユーロロングを買い増ししてきました。8日締日終値が1.0950台、15日が1.0900台、先週金曜日には、1.0845付近までユーロが下落しているので、明日の締日でロング増になれば、ここからの下押しはあまりみていないことになります。ドル円同様に相場の転換点になるかをみます。もしロング積み上げてくれば、次回の焦点は直近高値越えで上値1.13台乗せになるか否かを確認することになります。
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
シカゴは5月23日の締日以降は大きな相場観を持たずにレンジ内で細かい動きを続けています。ややショート増にしているものの、この枚数ではNZドル先安観を持ったとはいえません。ただ、相場はそれまでの0.60〜0.64レンジ推移だったものが、0.60未満になったので、先々のNZドル安リスクが高いですが、どこまで下押しできるかをみます。下図のチャートを見ると、黒のNZドル安トレンドライン0.5665〜0.6285(昨年3月22日週締日終値0.6963から引いたもの)の中で動きを続けており、先週締日終値(0.5949)は3月7日締日終値、5月30日締日終値を結んだサポートラインに丁度止まっています。現在のスポットは下限を下抜け始めているので、明日の締日で0.5930未満になるとNZドル安が継続しそうです。
さて実際の相場は、先週「…現在は心理的サポートの大台代わりである0.60と5月31日底値0.5985間で推移していますが、このままNZドル一段安トライを継続しそうです。まずは日足で0.5970未満での終値になるかを確認する形です。もし0.5970未満になれば0.5930〜40、0.5900、0.5820にあるサポート狙いになります」としましたが、15日の終値で0.5970未満になり、そこから一段安になっています。底値は17日の0.5903でしたので、括弧内の2つ目のサポートで止まり、そこで小休止しています。今週初もこの0.59サポートを試し、一段安狙い継続の形です。日足終値で0.59未満なら0.5820方向のトライになります。
NZドルも短期的には売られ過ぎになっているので、どこかのタイミングで戻りがありそうですが、7月14日高値からの抵抗線が0.6025にあるので、日足終値でこれを越えたこと確認してから一段の戻り高トライになります。それまではここを上限にして、0.5960〜70、0.6000の抵抗線をみておく必要があります。(1NZドル=0.5914米ドル、8月21日11:10)
直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。
棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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