NZ政策金利の予想
明日12日(水曜日)午前11時にNZ中銀政策金利が開催され、政策金利が公表されます。
市場の予想
NZ準備銀行(中銀)政策金利(オフィシャル・キャッシュレート:OCR)
現行5.50%⇒5.50%で据え置き予想(レンジ:なし)
(7月11日10時00分現在の予想値)
前回5月下旬の会合では市場の予想通り25BPの利上げを実施しました。今回は予想者全員が据え置き予想になっています。
今回の据え置き予想に関するポイントとして
@ 5月の記者発表要旨で、「金利水準が消費やインフレ圧力を抑制していることで合意した。消費者物価インフレを年間目標レンジである1〜3%に戻すことを確実にし、一方で最大限持続可能な雇用を支援するため、OCRは当分の間、制限的水準に留まることが必要となろう」(詳細は下記(3)ご参照)としており、当面の間は現行水準を維持する旨述べていること。
A また最新の中銀OCR予想も来年第2四半期まで5.5%予想になっており、利上げ停止を見込んでいること。
B 6月14日発表の1Q・GDPが前期比▼0.1%(予想▼0.1%)、前年同期比+2.2%(予想+2.6%)で、中銀見通しよりも成長鈍化速度がより早まっていると分析していること。
C また1Q・CPIは前期比+1.2%(予想+1.7%)、前年比+6.7%(予想+7.1%)となりました。エコノミストは景気悪化から予想以上にインフレ率が低下するとみています。中銀のCPI予想は前期比ベースで2Qは+1.1%、3Qは+1.8%になっており、来週7月19日に2Q・CPIが公表されますが、この結果は8月開催の会合にかなり重要な意味を持ちそうです。
D 今回の注目は(A)低下する成長と(B)中銀のインフレ見通しの中で、どの様な判断するかがポイントになります。5月の記者発表要旨と同様の内容に留まれば予想通りですが、Aを重視する内容なら金利低下が見込まれ、Bを重視する内容なら将来の利上げに繋がります。
(1)エコノミストの2024年2Qまでの利上げ予想及び中銀の金利見通し
(2023年2月時)
前回は最大5.75%までの利上げでしたが、中銀のOCR見通しの改定に沿って、利上げ停止予想に変わっています。
(2)米・NZ政策金利推移
(2017年1月以降)
これまでの金利差はNZ>米国でしたが、下図では7月末のFOMCで0.25%利上げ(CME Fedwatchでは95%が0.25%の利上げ予想)が予想されているので、それを加味しています。
両者はかなり接近しており、この先、NZ中銀が据え置きを続け、米国がドッドプロットでの年2回利上げになれば米国>NZに逆転します。
(3)NZ中銀金融政策記者会見要旨(2023年5月24日開催分)
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NZ中銀金融政策議事要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。(出所:NZ中銀HP)
前回の中銀会合後のNZドル米ドル相場は、発表前に0.6250付近で推移していましたが、利上げ実施にも関わらず、次回以降は暫く金利据え置きを公表したことから、0.61割れまで売られ、0.6110で引けました。その後も月末までNZドルは軟調に推移し、一時0.60割れまで売られています。今回の会合で予想通りに据え置いた場合は様子見になりそうですが、景気低下懸念などから金利高止まりの見直し示唆や、逆にインフレ懸念再燃で引き締めを示唆する内容の場合は相場に影響が出そうです。
尚、NZドル米ドルはシカゴポジション393を御参照願います。
次回は2023年8月16日(水)に予定されています。
(7月11日12:45、1NZ=0.6216米ドル)
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