調整だけにとどまらず基調転換の可能性も
〇本日のドル円、ドルが続落、140円半ばへと値を下げる展開、6/16以来の141円割れを記録
〇直近高値から4円以上値を下げ、更なる続落も否定できず、既にドル安方向へトレンド転換した可能性も
〇明日発表の米消費者物価指数への関心高い
〇欧米時間のドル円予想レンジは139.90-141.20、ドル高・円安方向は141円レベルが最初の抵抗か
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値の140円半ばをめぐる攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
11日の東京市場はドルが続落。6月16日以来の141円割れを記録している。
ドル/円は141.30-35円で寄り付いたのち、しばらくは底堅い。141円を割り込めず下げ渋ったが、下回るとそのまま日中安値である140円半ばへと一気に値を下げた。その後ドルは下げ止まるも、すでに上値は重く低位揉み合いに。16時現在では140.70円レベルで推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「NATO会議」と「米金融政策」について。
前者は、NATO事務総長が、これまでスウェーデン加盟批准に難色を示してきたトルコが一転、「批准手続き推進に同意した」と発表し話題に。ただ、トルコ大統領は「スウェーデンのNATO加盟承認する前に、EUはトルコのEU加盟に道を開くべきだ」などと述べており、何らかの取引的なものがあった可能性も取り沙汰されていた。一方、それとは別にウクライナ大統領がNATO首脳会議に出席、それとも直接会談に参加する旨を明らかにしたことも思惑を呼んでいたようだ。ちなみにNATO会議は11日から始まるが、ゼレンスキー氏は12日からの参加になる見込み。
対して後者は、クリーブランド連銀総裁が「インフレは現在も米国経済の主要な問題」とコメント。そのほかアトランタ連銀総裁やサンフランシスコ連銀総裁など複数の米通貨当局者からも「追加利上げ」を示唆する発言が聞かれたものの、為替市場は逆に調整と思しきドル売り・円買いに押される展開となった。ドルは本日東京時間にも大きく続落している。ただ利上げサイクルが終了に近づいていることは間違いなく、12日に予定されている米消費者物価指数の内容如何では、思惑に拍車をかけるといった弱気派の声も聞かれていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、あれよあれよという間のドル続落。本日東京時間には一時140円半ばと、直近高値から4円以上も値を下げる展開だ。テクニカルには先週末に移動平均の21日線を先週末に下回ってきたことに続き、フィボナッチでは安値133.50円を起点とした上げ幅の38.2%戻し140.65円も下回ってきた。さらなる続落も否定できず、一本調子か否かは別にして140円割れも想定しておいて損はないだろう。
金融市場は引き続き日米欧の金融政策に注目。米国については、前述したように要人からタカ派発言が相次いでいるものの、市場はそれほど強気になり切れていないようだ。それに対し日本は逆で、植田総裁などが政策修正に否定的な見解を示しているものの、何故か「7月にも政策修正に動く」といった期待感が強く、それが足もとの円高に繋がっているとの指摘も一部で取り沙汰されていた。いずれにしても、このあとも様々な思惑が浮上し、それに一喜一憂する展開か。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は少なくともドルの上値トライが一旦終了したものの、ドル高基調そのものはいまだ継続していると考えていた。しかし、昨日から本日東京のドル続落でその見方が大きく揺らいでいる。もしかすると、すでにドル安方向へとトレンド転換したのかもしれない。ちなみに、仮にドルが続落した場合のサポートは140円レベル、そして前述したフィボナッチの半値戻しは139.30円レベルとなる。
本日は米経済指標として、7月IBD/TIPP景気楽観指数などが発表されるものの市場の関心はさほど高くない。基本的には明日の米消費者物価指数発表待ちか。ただ別途、ブラード・セントルイス連銀総裁の討論会参加などには一応要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは139.90-141.20円。ドル高・円安方向は本日東京で割り込んだあと回復できていない141円レベルが最初の抵抗か。抜けても141円半ばでは頭が重そう。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の140円半ばをめぐる攻防に注目。下回ると140円を目指す展開か。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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