NZ/円、短期は“強気”。中期も“やや強気”84円割れで下値リスクが点灯。
5/24、NZ準備銀行は政策金利（オフィシャル・キャッシュレート）を市場の予想通り0.25％引き上げ5.5％とし、12会合連続の利上げとなりました。声明では「インフレ率を1-3％の目標範囲に確実に戻すために金利は当面制限的な水準にとどまる必要がある」とインフレ抑制重視の姿勢を変えていませんが、一方で「政策金利が現水準の5.5％でピークを迎え、24年半ばまで同水準にとどまると予想」していることが明らかになると、利上げ打ち止め感からNZ金利が急低下、為替市場では対米ドル、対円でNZ売りが優勢となりました。NZドルは対米ドルで0.62台半ばから急落、対円でも86円台半ばから急落しています。
チャートを見ると、日足は5/23に付けた87.31を直近高値として急反落していますが、昨年12月に付けた88.17を基点とするレジスタンスラインからは上抜けた位置を保っており、調整下げの範囲内に留まっています。この日足の下値抵抗は82円台前半にあります。また、3月に付けた80.44を基点として下値を切り上げる流れを維持しており、このサポートラインの下値抵抗は82.70-80にあります。一方で4/26に付けた81.56を直近安値とする短期的なサポートラインからは下抜けた位置で推移しており、短時間では下値余地がもう一段拡がる可能性が生じています。このサポートラインは85.50-60に位置しており、これをしっかり上抜けて終えるまでは調整下げが一巡したと認められません。
日足の上値抵抗は85.50-60，86.20-30，86.60-70に、下値抵抗は83.80-90，83.10-20，82.30〜82.50にあります。85.60超えで終えれば下値リスクが後退、86.70超えで終えれば“強気”の流れに戻します。逆に、83.80以下で終えた場合は下落余地がもう一段拡がる可能性が点灯、82.30以下で終えた場合は新たな下落リスクが生じます。21日移動平均線は85.12に位置しており、若干下抜けていますが“ダマシ”の範囲内です。また、120日、200日線は83.83，84.32に位置しており下値を支えています。
一方直近の週足は陽線で切り返して上値トライの流れに繋げています。今週は金融政策発表後に急反落しており先週の上げ幅を打ち消す動きとなっていますが、現状は3月に付けた80.44を基点として下値を切り上げる流れを維持しており、調整下げに留まる可能性を示唆しています。週足の上値抵抗は86.40-50，86.80-90，87.40-50に、下値抵抗は84.80-90，84.10-20，82.50-60にあります。31週、62移動平均線は84.25と84.27にあり、強い下値抵抗として働く可能性がありますが、84円を割り込んで越週した場合は下値リスクが点灯します。
5/25現在、31週移動平均線は84.25に、62週線は84.27にあり、強い下値値抵抗として働いている。
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