NZ中銀金融政策記者発表(23/5/24)

2023年5月24日開催分

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NZ中銀金融政策記者発表(23/5/24)

NZ中銀金融政策記者発表

本日NZ中銀の金融政策会合で、オフィシャルキャッシュレート(OCR)を現行の5.25%から5.50%へと、25ベーシスの利上げを実施しました。従前の予想通りの幅となりました。

記者発表要旨の和訳

金融政策委員会は本日、オフィシャル・キャッシュ・レート(OCR)を5.25%から5.50%に引き上げることで評決した。

委員会は金利水準が消費やインフレ圧力を抑制していることで合意した。消費者物価インフレを年間目標レンジである1〜3%に戻すことを確実にし、一方で最大限持続可能な雇用を支援するため、OCRは当分の間、制限的水準に留まることが必要となろう。

世界経済の成長は依然として弱く、インフレ圧力は緩和している。これは、世界的に中央銀行による著しい金融政策の引き締め期間に続くものである。国際的な供給チェーンの制約は、混乱期間を経て緩和され、輸送コストは低下した。世界経済の成長がより弱まり、NZ商品の輸出価格の下落に繋がった。

NZでは、インフレはピークから下落が続いており、それに伴いインフレ期待の度合いも下がると予想されている。しかしながら、コアのインフレ圧力は稼働率の制約が一層緩和されるまで続くとみられる。雇用は最大限の持続的水準を超えている一方で、労働不足の緩和や欠員が減少している兆候がある。

消費支出の伸びは緩み、居住用住宅建設活動は減少している。一方、住宅価格はより持続可能な水準まで戻っている。より一般的には、企業は商品やサービスに対する需要が下がっていることや、弱い投資意欲を報告している。企業は、労働不足というよりもむしろ需要不足が活動への主要な制約要因であると報告している。

国境が再開されてから、純入国移民の移動が戻ってきた。委員会は入国移民のペースが今後数四半期に亘り、Covid-19前のトレンド水準まで戻ると予想している。移民は労働不足を緩和するのに役立つ一方、全体的な消費に対する正味の影響は不確実である。観光支出における最近の回復は、Covid-19前のトレンド水準の約3/4までとなり、需要の下支えになっている。

最近の厳しい気象事象により、北部のかなりの地域で直面している修復や再建は経済活動を下支えするだろう。とりわけ、水平建設部門(道路や橋梁などの建設)を下支えするだろう。この主に政府支出のタイミングは数年間に亘り拡散される。より広範な政府支出はインフレ調整やGDPに比例して下がっていくと予想される。委員会は金利が暫くの間、制限的水準に留まる中、最大限の持続可能な雇用を下支えしながら、消費者物価インフレは年率1〜3%の目標レンジに回帰すると確信している。
(以上)
NZ中銀金融政策議事要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。(出所:NZ中銀HP

中銀のOCRとCPI見通し

中銀のOCRとCPI見通し

OCRは今回の利上げで打ち止め予想になっています。CPIは年内分を下方修正し、インフレが一層沈静化するとみており、GDPは各四半期共に上方修正しました。

今回の金融政策は予想通りの利上げ幅(0.25%)実施になりましたが、今回の会合時点では先々の利上げは打ち止め予想になっています。GDPも小幅ながら上方修正したことで、NZ中銀としては、今後のインフレ動向を監視していく立場となっています。
NZドル米ドル相場は、発表前0.6250付近で推移していましたが、利上げ打ち止めからNZドル売りになり、0.6170割れまで売られています。シカゴポジション386内で記載したレンジ
0.6130〜0.6385内で下限トライの状況です。もし下限を割れば0.6090、0.6060、そして大台代わりの0.6000を狙う構えに入ります。逆にレンジを維持でき、0.62台を回復すればレンジ内の上限に向けた流れに入ります。
(5月24日14:00、1NZドル=0.6169米ドル)

次回のNZ中銀の金融政策は2023年7月12日(水曜日)に予定されています。

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