ドル強保ち合い、債務上限問題など依然注視
〇本日のドル円、基本的にレンジ取引、16時現在では138.65-70の高値圏で推移して欧米市場を迎える
〇米債務上限問題の協議、進展が見られなかったが、行方には引き続き要注意
〇本日、5月初旬に実施されたFOMC議事録公開が注視される
〇ドル高・円安方向は、昨日高値138.91が最初の抵抗。超えれば139円台乗せも
〇ドル安・円高方向は、昨日安値を含めた138.20-25の攻防にまずは注目
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは138.00-139.10
<< 東京市場の動き >>
24日の東京市場はレンジ取引。一時ややドル売りが先行する局面も見られたが、終盤は逆に買いが優勢に。
ドル/円は138.60円レベルで寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。上値は重く、138円半ば以下で推移する時間が長かったが、前日安値に面合わせするも割り込めないなど下値もなかなかに堅い。終盤は逆にドル買いが優勢でレンジ内での「行って来い」となり、16時現在では138.65-70円の高値圏で推移、欧米市場を迎えている。
なお、東京昼前にNZ中銀が0.25%の利上げを発表。しかし、声明で利上げの打ち止めが示唆されたことが嫌気され、NZドルが対円では1円を大きく超える下落をたどっていた。
一方、材料的に注視されていたものは「米債務上限問題」と「中国情勢」について。
前者は、米ホワイトハウスと野党・共和党の双方事務方レベルの協議は23日も実施されたが進展の兆しがないまま終了したと伝えられている。一部報道によると、協議は2時間となかなかの長尺に及んだがメディアなどに対してとくにコメントすることなくひっそりと終了した模様。これからすると、Xデーとされる6月1日までの妥結は難しいようにも思われる。なお、ブルームバーグによると、イエレン財務長官が発した先の「Xデー・6月1日」発言に不信感を抱く共和党議員が多いとされ、「債務上限を引き上げる緊急性を打ち消しかねない動きとなっている」とも報じられていた。
対して後者は、同国外務省や大使館が、日本の先端半導体規制に強く反対する姿勢を示したほか、英首相がG7広島サミット時に発した「中国は世界の安全保障上の最大の挑戦だ」とのコメントに反発する声明を寄せている。また中国商務省からは、「中国は米国と台湾が合意した経済連携強化に断固反対する」とのコメントが発せられていた。一方、そうした動きとは対照的に、中国首相は参加したビジネスフォーラムで、ロシアとの経済・貿易交流拡大に前向きな姿勢を示していたという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は高原推移。実際、先週17日に137円を「しっかり」と超えたあと、ここまで一度も137円を割り込んでおらず、22日のNY時間以降はすべて138円台での推移だ。個人的にはいま少し価格調整と思しき下押しの動きが入ると予想しているのだが、チャートなどを見ると価格ではなく日柄的な調整局面入りしている可能性もある。米債務上限問題などの材料をにらみつつ、ドルは強保ち合い。底堅い値動きをたどりそうだ。
米債務上限問題は、イエレン氏が指摘したXデーまであと1週間。一部米銀の指摘によると、「6月半ばまでに満期を迎える短期証券が最初にデフォルトする」とされており、それでも残りの猶予は2週間強か。いずれにしても、米債務上限問題の行方には引き続き要注意。一方、米金融政策への関心は依然として高い状況で、本日は5月初旬に実施されたFOMCの議事録公開が注視されている。
テクニカルに見た場合、ドル/円はドルが強保ち合い。139円が近くて遠い存在のようで、接近するもなかなか届かないという状況が続いている。ただ、仮に超えても高値151.94円を起点とした大きな下げ幅の半値戻し139円半ば前後では再び上げ渋りも。140円到達は容易でないという気もしている。
対して下値は、まず138円レベルの攻防に注目だ。
本日は米経済指標として、MBA住宅ローン申請指数などが発表されるうえ、今月頭に実施されたFOMC議事録が公表される見通しだ。決まり物という意味では、通常より材料が若干少なめだが予断を許さない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.00-139.10円。ドル高・円安方向は昨日高値138.91円が最初の抵抗。超えれば139円台乗せも。
対するドル安・円高方向は、昨日安値を含めた138.20-25円の攻防にまずは注目。割り込めば138円割れを目指すが、いずれにしてもドルは底堅そう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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