シカゴポジション(CME)358
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)
(2022年10月25日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴポジションは各通貨の相場観がはっきりしてきました。豪ドル、NZドル、円は米ドル先高観、ユーロは米ドル先安観になっています。
まず豪ドルですが、戻りでショートを積み増してきており、しかも目安の5万枚を越えてきました。暫く、この枚数を維持するのか、あるいは一段積み増してくるかが今後数週間のポイントになります。NZドルは目安の2万枚で止まり、先週に続き利確してきました。2万枚以上は過去3年間積み増していないので、この先もこの枚数が一応の目途になりそうです。但し、内容を見ると、NZドル買いの両建てになっているので、まだNZドル先安観を維持しており、戻りではこのロングを手仕舞いしてくる可能性が高いままです。もし一段の戻り高でロングを手仕舞いし、NZドルショート増になれば、シカゴにとってオセアニア通貨が揃うことになります。あとは直近のオセアニア通貨底値でポジションを手仕舞いしてくるのかを見る必要があります。
円は日銀の円買い介入がありましたが、シカゴは押し目を拾ってきており、しかも目安となるネット10万枚に乗せており、ドル先高観を再確認しています。18日締日終値が149円26銭、25日が147円93銭、この間底値が146円23銭で、先週27日に145円11銭までありましたが、再度買い増ししてくればシカゴの相場観では再び150円台乗せが視野に入っていると思います。今後は直ぐに14万から15万枚に積み上げるのか、このまま暫く10万前後で利確+買い直しするかになります。
ユーロは遂に目安となる5万枚を一気に越える7枚5000枚になりました。ほぼユーロ先高観を確定しています。ユーロは18日締日が0.9858、同25日が0.9966、翌26日に高値1.0089までありましたので、明日の締日ではややユーロロングが減っているかもしれませんが、下押しでは買いとなりそうです。シカゴはほぼ0.96〜0.97で底値を付けたと見ていると思われます。
先週のシカゴは、ロング5,300枚増、ショートは僅か250枚減となり、ネットショート5,600枚減となりました。ショートの手仕舞いではなく、両建てにしており、戻りではNZドルロングを手仕舞いする可能性が高くなっています。従い、NZドル先安観は維持したままです。11日締日終値が0.5582、18日が0.5684、25日が0.5753ですので、シカゴは美味く回転させているようです。下図のチャートを見ると、チャート内の黒のNZドル安トレンドライン0.5900〜0.6620レンジの下限方向までのトライの動きになっています。実際、先週金曜日のザラ場で0.5874までの高値がありましたので、ほぼ達成になっている様です。尚、〇印にあるネットポジション(青の棒グラフ)はやはり2万枚が下限になっているようです。
さて実際の相場は、先週「…(0.5760の抵抗線を)上抜けた場合は0.60の大台代わりまでの上値余地が広がります。この間の抵抗線は0.5820、0.5880〜90、0.5940〜50、0.6000の順にあります。一方で、上値を守り切れば10月13日底値からのサポート0.5610〜20狙いになり、これを切れて終れば再度0.5510狙いに入れます。もし抵抗線越えになればシカゴがショートポジションを手仕舞いして売り直しをするのか、そのまま売り上がりするのか正念場になりそうです」としましたが、高値は0.5874まであり、2つ目の抵抗線で止まり、NZドル高から小幅調整しています。シカゴの終値ベースの抵抗線が0.5900にあるので、これを意識している可能性があります。
現在は10月21日底値からのサポートが0.5800にあり、豪ドル同様に下に切れるか否かのポイントまできています。現状では切れる可能性が高く、その場合は10月13日底値からのサポート0.5690までの下値余地が広がります。この間のサポートとして0.5780、0.5740〜50、0.5710〜20の順にサポートがあります。上値は現在の0.5810を維持できれば戻り余地は残しており、0.5880、0.5900、0.5940〜50、そして0.6000の大台代わりとなります。トレンドはNZドル安が継続しています。(1NZドル=0.5806米ドル、10月31日10:10)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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