トルコリラ週報:『レンジ相場継続もリスクは依然ダウンサイド。一巡後の反落に要警戒』(8/27朝)

トルコリラの対円相場は、8/2に一時7.24円まで下げ幅を広げましたが、その後は7.35ー7.65円を中心としたレンジ相場が続いております。

トルコリラ週報:『レンジ相場継続もリスクは依然ダウンサイド。一巡後の反落に要警戒』(8/27朝)

『レンジ相場継続もリスクは依然ダウンサイド。一巡後の反落に要警戒』

〇今週のトルコ円、週初は消費者信頼感、観光客数の良好な結果に、7.64まで上昇
〇その後は米土関係悪化懸念、トルコ指標の不冴え等に7.47まで下落、7.55レベルで越週
〇7.35ー7.65を中心としたレンジ相場が続くが、テクニカルのリスクはダウンサイド
〇ファンダメンタルズもトルコリラ円相場のダウンサイドリスクを連想させる材料が揃う
〇トルコリラ円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):7.35ー7.75

今週のレビュー(8/22−8/26)

今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初7.57円で寄り付いた後、@ロシア政府系ナショナル・ウェルス・ファンドによるリラ買いの思惑や、Aトルコ中銀による為替介入観測、Bトルコ中銀による信用流動性への対処を目的とした新たな金融安定措置発表、Cトルコ8月消費者信頼感指数(結果72.2、前回68.0)の良好な結果、Dトルコ7月外国人観光客数(前年同月比+53%増を記録→新型コロナウイルス前の水準を超過)の力強い結果が支援材料となり、翌8/23にかけて、週間高値7.64円まで上昇しました。

しかし、ボリンジャーバンド上限に続伸を阻まれると、E米・トルコ関係の悪化懸念(米財務省アデエモ財務副長官によるロシアの団体や個人がトルコを利用して米欧の制裁を回避しているとの警告発信)や、Fエルドアン大統領による「トルコに必要なことは利上げではない」とのハト派的な発言、Gトルコ8月景気動向指数(結果101.4、前回102.5)の冴えない結果、Hトルコ8月設備稼働率(結果76.7%、前回78.2%)の冴えない結果が重石となり、週後半にかけて、週間安値7.47円まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/27午前3時00分現在)では、7.55円前後で推移しております。

来週の見通し(8/29−9/2)

トルコリラの対円相場は、6/27に記録した直近高値8.42円をトップに反落に転じると、8/2に一時7.24円まで下げ幅を広げましたが、その後は7.35ー7.65円を中心としたレンジ相場が続いております。但し、上方より一目均衡表の雲が垂れ下がってくることや、強い売りシグナルを示唆する一目均衡表三役逆転、弱気のパーフェクトオーダー、ダウ理論の下落トレンドの3つが成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、リスクは依然ダウンサイドと判断できます(現在は下落トレンドの過程で見られる小康状態→一巡後の反落リスクに要警戒)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念(ロシアとトルコの接近に対して西側諸国が警戒→欧米とトルコの関係性悪化懸念)や、A米FRBによるタカ派傾斜観測(先週・今週と米当局者によるタカ派的な発言が急増。週末のジャクソンホール会議でもパウエルFRB議長がインフレへの警戒姿勢を強調すると共に、市場で燻る来年以降の利下げ観測を否定)、B上記Aを背景とした米長期金利の上昇圧力(米10年債利回りは再び3.00%の大台突破→ドル建て債務を多く抱えるトルコの資本流出懸念に繋がる恐れ)、Cトルコ中銀による追加利下げ観測(トルコ中銀は先週、CPIが前年比+79.60%と約24年ぶり高水準を記録しているにも係わらず100bpのサプライズ利下げを実施→エルドアン大統領は今週も利上げ不要論に言及)、D上記Cを背景としたトルコリラの実質金利の更なる低下、Eトルコ経済の先行き不透明感、F双子の赤字(経常赤字と財政赤字)に伴う構造的なリラ売り圧力など、トルコリラ円相場のダウンサイドリスクを連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は8/29に予定されているトルコ7月貿易収支や、8/31のトルコ第2四半期GDPなどのトルコ経済指標に加えて、米当局者発言や米8月雇用統計にも注目が集まります。トルコ経済指標が不冴な結果を示す場合や、米当局者発言および米経済指標が米9月FOMCでの75bp利上げを後押しする結果になる場合には、トルコリラに強い下押し圧力が加わる恐れが出てくるため、来週は週を通してレンジ相場の下放れリスクに警戒が必要でしょう。

来週の予想レンジ(TRYJPY):7.35ー7.75

注:ポイント要約は編集部

『レンジ相場継続もリスクは依然ダウンサイド。一巡後の反落に要警戒』

トルコリラ円日足

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