南アランド週報:『CPI・PPIのダブル上昇で持ち直すも戻りは鈍い。反落リスクに警戒』(8/27朝)

南アランド円相場は、週央にかけて記録した約3週間ぶり安値7.99円をボトムに反発に転じると、週末にかけて一時8.18円まで上値を伸ばしました

南アランド週報:『CPI・PPIのダブル上昇で持ち直すも戻りは鈍い。反落リスクに警戒』(8/27朝)

『CPI・PPIのダブル上昇で持ち直すも戻りは鈍い。反落リスクに警戒』

〇今週の南ア円、中国経済先行き懸念、商品価格低迷等に、週央にかけ週間安値7.99まで下落
〇売り一巡後は、南ア指標の好調に週末にかけ週間高値8.18まで上昇
〇南ア円上方に強力なレジスタンス控えテクニカルな上昇余地は乏しい
〇ファンダメンタルズも南アを取り巻く環境と経済先行き不透明感が重石に
〇南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.95ー8.25

今週のレビュー(8/22−8/26)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初8.05円で寄り付いた後、@中国経済のリセッション懸念(先週発表された中国経済指標が軒並み悪化→中国と経済的な結びつきの強い南アフリカの景気減速懸念)や、A米FRBによるタカ派傾斜観測(米長期金利上昇→新興国から米国への資金流出圧力)、B金・プラチナ価格の冴えない動き(南アフリカの主要産品である貴金属続落→南アフリカの交易条件悪化懸念)が重石となり、週央にかけて、週間安値7.99円(8/5以来の安値圏)まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、C南ア6月景気先行指数(結果125.2、前回124.7)の良好な結果や、D南ア4ー6月期失業率(結果33.9%、予想35.0%、前期34.5%)の予想比改善、

E南ア7月消費者物価指数(結果+7.8%、予想+7.8%、前回+7.4%)の伸び率加速、F南ア7月消費者物価コア指数(結果+4.6%、予想+4.5%、前回+4.4%)の市場予想を上回る結果、G南ア7月生産者物価指数(結果+18.0%、予想+17.5%、前回+16.2%)の伸び率加速、H上記EFGを背景とした南ア中銀の利上げ観測が支援材料となり、週末にかけて、週間高値8.18円まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと(一目均衡表雲下限に続伸を阻まれると)、Iジャクソンホール会議におけるパウエルFRB議長のタカ派的な発言や、J上記Iを背景とした過剰流動性相場逆流懸念(市場心理悪化→リスクアセット下落)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間8/27午前2時30分現在)では、8.14円前後で推移しております。

来週の見通し(8/29−9/2)

南アランド円相場は、週央にかけて記録した約3週間ぶり安値7.99円をボトムに反発に転じると、週末にかけて一時8.18円まで上値を伸ばしましたが、アップサイドに強力なレジスタンスとして意識されている一目均衡表雲下限(8.18円)や90日移動平均線(8.19円)が控えていることや、ダウ理論の下落トレンドが成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱い(上値余地は乏しい)と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、@米長期金利の反転上昇(先週・今週と米当局者によるタカ派的な発言が急増→次回9月FOMCでの75bp利上げ観測再燃)や、A上記@を背景とした南アフリカから米国への資本流出圧力、

B南ア経済の先行き不透明感(今週発表されたインフレ指標は軒並み上昇→スタグフレーション懸念が燻る中での南ア中銀による金融引き締め観測台頭→南ア経済への下押し圧力)、C南アフリカと経済的な結びつきの強い中国のリセッション懸念(南ア経済への負の連鎖懸念)、D南アフリカの交易条件悪化(金・プラチナ価格の冴えない動き)など、南アランド円相場のダウンサイドリスクを連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は8/31に発表される南ア7月貿易収支以外に目立った南ア経済指標が予定されていないことから、中国経済指標や米国経済指標を睨みながらの神経質な相場展開が想定されます。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.95ー8.25

注:ポイント要約は編集部

『CPI・PPIのダブル上昇で持ち直すも戻りは鈍い。反落リスクに警戒』

南アランド円日足

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