ドル円見通し 7月22日安値からの戻り一巡、米国利上げは予想通りでドル安反応(22/7/28)

ドル円は7月28日未明の米FRBによるFOMCで0.75%の利上げが発表された直後に137.46円を付け7月22日夜安値135.56円以降の高値を更新した。

ドル円見通し 7月22日安値からの戻り一巡、米国利上げは予想通りでドル安反応(22/7/28)

7月22日安値からの戻り一巡、米国利上げは予想通りでドル安反応

〇ドル円、FOMCで0.75%利上げ発表直後に137.46つけ22日以降の高値更新
〇その後ドル買い材料一巡で30分弱の間に1円を超える急落で136.31まで下げる
〇7/14高値からの下落基調が継続しやすく、28日未明高値を起点とし三段目の下げに入った可能性
〇FOMCでは通常利上げ幅の3倍にあたる0.75%の超大幅利上げ決定、市場の予想通りの結果に
〇136.50から136.70にかけてのゾーンは戻り売りにつかまりやすいとみる
〇135.56割れからは134円台後半への下落を想定、134.70以下は反発注意

【概況】

ドル円は7月28日未明の米FRB(連邦準備制度理事会=中央銀行)によるFOMC(連邦公開市場委員会=金融政策決定会合)で0.75%の利上げが発表された直後に137.46円を付けて7月22日夜安値135.56円以降の高値を更新したが、ドル買い材料一巡として早々に売られて30分弱の間に1円を超える急落で136.31円まで下げた。その後に若干の下げ渋りを見せてから28日午前序盤には安値切り下げに入っている。
7月14日高値で139.39円を付けて昨年1月6日底102.57円以降の最高値を更新して24年ぶり高値水準に達したが、米FRBによる利上げ見通しをある程度織り込んだとして調整局面入りとなり、7月22日には135.56円まで急落した。その後は売られ過ぎ警戒感から持ち直しに入りジリ高の推移で137円台前半へ戻していたところだったが、FOMCをきっかけに反落したことにより、7月14日高値からの下落基調が継続しやすい状況となっている印象だ。60分足レベルで見れば7月19日夜安値までを一段目の下落とし、7月22日夜安値までを二段目とすれば、7月28日未明高値を起点として三段目の下げに入った可能性も警戒される。

【米FOMCは予想通り、今年はあと3回のFOMC】

米FRBは今回のFOMCにおいて前回6月の会合に続いて通常の利上げ幅である0.25%の3倍にあたる0.75%の超大幅利上げを決定した。6月の米CPI上昇率が前年比で9.1%まで跳ね上がったことで一時は1.00%の利上げ説も出ていたが、FRB理事や地区連銀総裁らが1.00%利上げに否定的な発言を繰り返したことで0.75%利上げに落ち着くだろうと市場は見ていたため予想通りの結果となった。
FOMCは今年3月に0.25%、5月に0.50%、6月と7月にそれぞれ0.75%の利上げを行ってきたことになるが、今年は残り3回のFOMCを残しており、次回以降は9月20-21日、11月1-2日、12月13-14日に開催される。
パウエル米FRB議長は会見で今回の0.75%利上げにより景気を過熱も抑制もしない「中立的な金利水準とした」とし、今後は「若干景気抑制的とする水準に引き上げる必要がある」と述べた。また「インフレはあまりにも高すぎる」として次回会合では「さらに異例の大幅利上げが適切となる可能性がある」と述べ、インフレが落ち着く確証が得られるまで利上げを続ける姿勢を改めて強調した。

今回のFOMC結果を受けて、年末時点の政策金利水準については3.50-3.75%、来年第1四半期末となる3月時点で4.0%超へ引き上げられてゆく可能性が強まったと思われる。
国際商品市場は3月序盤の急騰後は落ち着いており穀物市場などは戦争勃発前の水準を割り込むところまで下げているが、原油相場は欧州のエネルギー不足問題が深刻化していることもあり高止まりの様相だ。また本邦を含めて世界的な感染再拡大の兆候や中国の厳格なゼロコロナ政策によるサプライチェーン停滞の長期化も懸念されている。
金融引き締め強化の流れが新興国などへの投資マネーの還流を招き、欧米がリセッション入りするならば景気過熱によるインフレが収まる可能性があるが、サプライチェーンが停滞してロシア制裁等の悪影響も続けば不況下でのインフレ進行というスタグフレーションの懸念も残る。このため、当面は年初からのドル高に対する修正的な動きへ進みやすいとみるが、まだ暫くは欧米の物価動向を見ながら今後の欧米及び主要国の利上げペースを判断してゆく展開も続き、金融市場全般がリスク回避的な動きへ向かえばドル高再開となる可能性もあるところと思われる。

【米長期債利回りはまちまち、米国株は上昇】

7月27日の米長期債利回りはまちまち。指標の10年債利回りは前日比0.02%低下の2.79%、30年債利回りは同0.04%上昇の3.07%、2年債利回りは同0.06%低下の3.00%となった。2年債と10年債の逆イールドは続いている。今後は9月以降の米FOMCによる利上げペースを見ながら先行きの利回り水準を想定しつつ高止まりするのか調整的な低下をもうしばらく続けるのか判断してゆくことになると思われるが、いずれにせよ利上げは継続するため極端に大幅低下してゆくよりも高止まりないしは若干の低下で落ち着くのではないかと思われる。
一方でNYダウは前日比436.05ドル高、ナスダック総合指数は同469.85ポイント高と上昇した。過度の利上げペースにはならなかったとして株式市場ではやや安心感もあるようだが、金融引き締めは今後も続くことを踏まえれば楽観的な反応を継続して本格的な上昇相場へ向かうのはなかなか難しいのではないかと思う。

ドル円としては当面の利上げペースを織り込んだことで140円手前からいったん仕切り直しの下落期に入っている印象だが、今後の米経済指標の悪化が目立つ場合は株売り債券買い・長期債利回り低下ないし頭打ちにより昨年来では最大級の調整局面となる可能性に注意したい。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルにおいては、7月22日夜安値をサイクルボトムとした強気サイクル入りとして7月26日夕から28日夕にかけての間への上昇を想定してきたが、28日未明高値で直近のサイクルトップを付けて弱気サイクル入りしたと思われる。ボトム形成期は7月28日午前から29日深夜にかけての間と想定されるので28日夜にかけては一段安警戒とみる。強気転換には7月28日未明高値からの下げ幅に対して半値以上を解消する反騰が必要と思われる。

60分足の一目均衡表では7月28日未明高値からの急落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落したため遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。先行スパンは戻りの抵抗帯となりやすく、強気転換には先行スパンを上抜き返す反騰が必要と思われる。

60分足の相対力指数は7月28日未明への上昇で70ポイント手前に付けたがその後の急落で30ポイント台へ低下した。50ポイント前後までを戻り抵抗としつつ20ポイント台序盤を試すのではないかと思われる。小反発してから一段安する際に指数のボトムが切り上がる強気逆行が見られる場合はいったんリバウンドに入る可能性があると注意する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7月22日夜安値135.56円を下値支持線、136.70円を上値抵抗線とする。
(2)136.50円から136.70円にかけてのゾーンは戻り売りにつかまりやすいとみる。
(3)135.56円割れからは134円台後半(135.00円から134.50円)への下落を想定する。134.70円以下は反発注意とするが、136.50円以下での推移か、直前安値から1円を超える反騰とならないうちは29日午前にかけても安値試しを続けやすいとみる。

【当面の主な予定】

7/28(木)
10:30 (豪) 6月 小売売上高 前月比 (5月 0.9%、予想 0.5%)
10:30 (豪) 4-6月期 輸入物価指数 前期比 (1-3月 5.1%、予想 4.5%)
18:00 (欧) 7月 経済信頼感 (6月 104.0、予想 102.0)
18:00 (欧) 7月 消費者信頼感確定値 (速報 -27.0、予想 -27.0)
21:00 (独) 7月 消費者物価指数・CPI速報値 前月比 (6月 0.1%、予想 0.6%)
21:00 (独) 7月 消費者物価指数・CPI速報値 前年同月比 (6月 7.6%、予想 7.4%)
21:30 (米) 4-6月期 GDP速報値 前期比年率 (1-3月 -1.6%、予想 0.5%)
21:30 (米) 4-6月期 個人消費・PCE速報値 前期比年率 (1-3月 1.8%、予想 1.2%)
21:30 (米) 4-6月期 コアPCE速報値 前期比年率 (1-3月 5.2%、予想 4.5%)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 25.1万件、予想 25.3万件)
21:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 138.4万人、予想 138.0万人)
26:00 (米) 財務省7年債入札

7/29(金)
08:30 (日) 7月 東京都区部消費者物価指数・生鮮食品除く 前年同月比 (6月 2.1%、予想 2.2%)
08:30 (日) 6月 失業率 (5月 2.6%、予想 2.5%)
08:50 (日) 6月 鉱工業生産速報値 前年同月比 (5月 -3.1%、予想 -7.1%)
08:50 (日) 6月 小売業販売額 前年同月比 (5月 3.6%、予想 2.8%)
10:30 (豪) 4-6月期 生産者物価指数・PPI 前期比 (1-3月 1.6%)
10:30 (豪) 4-6月期 生産者物価指数・PPI 前年同期比 (1-3月 4.9%)
14:00 (日) 6月 新設住宅着工戸数 前年同月比 (5月 -4.3%、予想 -1.7%)
14:00 (日) 7月 消費者態度指数・一般世帯 (6月 32.1、予想 31.3)
16:55 (独) 7月 失業率 (6月 5.3%、予想 5.4%)
17:00 (独) 4-6月期 GDP速報値 前期比 (1-3月 0.2%、予想 0.1%)
17:00 (独) 4-6月期 GDP速報値 前年同期比 (1-3月 4.0%、予想 1.8%)

18:00 (欧) 7月 消費者物価・HICP速報値 前年同月比 (6月 8.6%、予想 8.7%)
18:00 (欧) 7月 消費者物価・HICPコア指数速報値 前年同月比 (6月 3.7%、予想 3.9%)
18:00 (欧) 4-6月期 GDP速報値 前期比 (1-3月 0.6%、予想 0.2%)
18:00 (欧) 4-6月期 GDP速報値 前年同期比 (1-3月 5.4%、予想 3.4%)
21:30 (米) 4-6月期 雇用コスト指数 前期比 (1-3月 1.4%、予想 1.2%)
21:30 (米) 6月 個人所得 前月比 (5月 0.5%、予想 0.5%)
21:30 (米) 6月 個人消費支出・PCE 前月比 (5月 0.2%、予想 0.9%)
21:30 (米) 6月 PCEデフレーター 前年同月比 (5月 6.3%、予想 6.7%)
21:30 (米) 6月 PCEコア・デフレーター 前月比 (5月 0.3%、予想 0.5%)
21:30 (米) 6月 PCEコア・デフレーター 前年同月比 (5月 4.7%、予想 4.7%)
22:45 (米) 7月 シカゴ購買部協会景況指数 (6月 56.0、予想 55.0)
23:00 (米) 7月 ミシガン大学消費者信頼感指数確報値 (速報 51.1、予想 51.1)

注:ポイント要約は編集部

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