米5月消費者物価指数(CPI)の予想(22/6/10)

2022年6月10日21時30分に発表予定です。

米5月消費者物価指数(CPI)の予想(22/6/10)

米5月消費者物価指数(CPI)の予想

本日(10日)、米国5月消費者物価指数(CPI)が公表されます。前回4月分は市場予想より全てが高めの結果となりました。相場は発表前の129円75銭付近から一気に130円81銭の高値をつけ、終値は129円97銭でした。その後もドルが売られ5月24日に126台前半で底を打ちました。この時は前週4日にFOMCがあり、当面の材料出尽くしにポジション調整となりました。今回は逆に次週FOMCが控えているので、予想より高いと市場は将来の利上げ幅に思惑が出る可能性が高まります。その予想ですが、前月比・前年比共に数値自体はまだ高い状況です。ただ前年比ではネルギー価格上昇の影響が強いので、CPIコアは前年比で下がる予想になっています。もし予想通りの結果なら2022年になり初めて6%を切ります。この下落がFRBの予想に沿ったものなのかはFOMCを待たねばなりせん。またコア予想レンジ上限でも4月以下ですので、6.3%越える数値になると相場にはサプライズとなりそうです。

米5月消費者物価指数(CPI)の予想

(2022年6月10日9時現在予想)

(1)米国消費者物価指数全体(CPI)前月比ベース推移

(1)米国消費者物価指数全体(CPI)前月比ベース推移

(青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ、青は0.6%)


上記チャート(1)を見ると、オレンジ色の移動平均線(5月予想0.68%)はやや下がりますが、過去の高値を結んだ青(0.6%)をまだ越えている状態です。まだインフレ沈静化にはほど遠い様です。
一方で、下記チャート(2)では赤(2%)の横線がFRBインフレ目標値(=オレンジ色のPCEコア)となっています。黒が今年3月公表済の2022年末PCEコアの数値4.1%です。来週のFOMCでこの黒ラインの見直しが出る予定になっています。もし上がれば、インフレ沈静化は先延ばしになります。但し、下落トレンドはFRBにとっては良い兆しですので、今回も下がるか、そして5月PCEコア(6月30日発表予定)も重要になりそうです。

(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移

(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移

(赤はFRBのインフレ目標値2%、黒はFRB3月時の2022年末予想PCEコア4.1%、青の矢印は今回予想値)


(注:CPIは米労働省統計局が発表し、PCEは米商務省統計局が発表します。PCEには医療保険に関わる費用なども含まれているため、カバーされる範囲が広くFRBのインフレ指標に採用されています。)

下図はドル円の日足チャートです。3月7日からドル高が始まり、ラインA(=135円90円)に乗ってドル高となっていましたが、5月12日にAを下抜け、24日に126円36銭まで下落しました。その後はB(=132円70銭)を起点に急激なドル高サポートを形成しています。途中C(=131円35銭)の抵抗線を3回目で抜いたことによりドル一段高を確認し、昨日はやっと調整らしい売りが入りました。まだドル高は維持されており、流れとしてはA狙いの中にいます。Bのサポートまでは134円でも1円30銭の下値余地があります。万一Bを切れた場合はCまでの下押しをみます。この間には133円70銭〜80銭、133円20銭〜30銭、132円50銭、131円90銭の順にサポートあり、そしてCの順になります。尚、仮にCを切っても、D(=128円40銭)でドル高トレンドは守られています。
今日のCPIで予想を上回ればドル堅調、悪ければドル高調整で上記サポートをどこまで押せるかになります。但し、来週FOMCを控えているので、ドル堅調地合いは守られそうです。

(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移 2枚目の画像

(6月10日10:15 1ドル=134円05銭)

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