米5月雇用統計の予想
本日は5月の米雇用統計関連の数値が発表されます。前回4月は下表の通り、非農業部門雇用者数(NFP)が予想を上回りましたが、失業率と平均時給は下回り、全体ではまちまちの結果となりました。相場は発表前が130円40銭付近、その後130円18銭〜70銭レンジで上下し130円56銭でNYは引けました。この前週4月28日に131円35銭の高値をつけています。奇しくも1ヶ月経過して、ほぼ同じ水準で5月雇用統計を迎えようとしています。
今回5月は失業率が改善予想です。FRBの3月時点で2022年末予想は3.5%ですので、仮に今回予想通りになっても、年後半は横這い傾向になりそうです。非農業部門雇用者数(NFP)は前月よりも低下予想ですが、堅調な回復見込みになっています。平均時給は前月よりも小幅の伸び予想ですが、前年同月比では依然として+5.0%(5月が+5.2%予想、4月が+5.5%)を越える大幅な伸びですので、個人消費堅調を裏付けています。下図(1)の平均時給では過去のトレンドライン(黒)を大幅に上回る傾向が続いています。
また昨日発表されたADP社民間雇用者数は予想を大きく下回る+12.8万人増(予想30万人)になり、前月分の下方修正を加味すると+8.3万人になります。仮に今回Aの予想レンジ下限を下回る数値となってもサプライズにはならないと思います。下図(2)を見ると、NFPは当月含む過去1年間の伸びが下降を辿っています。そろそろNFPも巡航速度の改善に入ってきていると思います。
さて、アトランタ連銀GDPナウは第2四半期GDPで前期比年率+1.3%(6月1日現在)になっており、前週の+1.9%(5月27日)から低下しています。今週は建設支出の低下が影響した模様です。GDPは1Qがマイナスでしたので、ここまでの2Q数値としてはあまり良くありません。
今回予想
(6月3日9時現在)
上図(2)はコロナ発生以降の期間で、発表された当月から1年間遡っての年間数値の比較です。例えば今回5月では2021年6月〜2022年5月、4月分は2021年5月〜2022年4月のそれぞれ1年間の集計です。概ねNFP>ADPになっています。青の矢印を見ると、年始を境にやや下降気味になっています。特にオレンジのADP社の低下が大きくなっています。
下図はドル円の日足チャートです。3月初底値からのドル高サポートラインA(=134円40銭)は既に下抜き、4月下旬高値131円35銭からの抵抗線B(=127円00銭)に沿って下落しましたが、今週初に再度上抜きました。現在はC(=129円10銭)に沿ってドルの戻り高トライになっています。ドルが一段高を狙うには2回上値を止められているD(=131円35銭)を越えていくことが必要です。今回は3回目トライですのでその攻防は重要になります。もし上抜けた場合はA方向に行く可能性が高まり、万一越えられずにCを切れれば、再度Bと横サポートE(=126円35銭)への押しが視野に入ってきます。
現状は、まだ中期ドル高トレンド内で、短期はレンジ様相の状況が変わっていません。当面の下限を129円で見ておき、126円35銭〜131円35銭のレンジになっています。
(2022年6月3日10:10、1ドル=129円80銭)
オーダー/ポジション状況
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