OPECプラス増産合意も反騰
昨日のOPECプラス閣僚級会合では事前にサウジアラビアが増産の用意があると発言したことで原油価格はOPECプラスを前に調整が進んでいました。
背景としてはOPECプラスの主要メンバーであるロシアの産油量が経済制裁によって落ちていることからその分を増産しても問題無いという認識がありました。しかし原油価格の高騰が続き30日にはEUによるロシア産原油禁輸の動きも重なって31日には120ドル近くまで続騰していたことで世界的なインフレ懸念を抑えるため、米国がサウジアラビアに増産要求を行うなど、今回のOPECプラスでは一定の期待感があったかと思います。
昨日の会合前には先週初の水準に押して会合の結果待ちとなりましたが、結果は増産拡大で合意したものの7月、8月の増産幅は日量64.8万バレルとこれまでの43.2万バレルから約20万バレルの拡大と期待したほどの増産にはならず、秋以降の増産幅が前倒しとなった程度でロシアによる減産分をカバーするにも遠い(ロシアの減産は日量96万バレル以上と推測される)との見方からNYの引けにかけて反騰して終わりました。
ここ数週間の動きを4時間足チャートで見てみます。
5月安値を結んだサポートライン(青)を下抜けたことからOPECプラスの増産量次第ではテクニカルなターゲットとなる4月安値と今週高値の38.2%押しから半値押し(赤の水平線)を考える流れだったのですが、急速に遠のいた流れとなりました。
ロシアの減産は経済制裁としては効果があるのでしょうが原油価格高騰によるインフレ長期化という負の面も大きく、今後西側諸国としてどのように動いていくのか、金融政策による引き締めだけではとても抑えられるようなものではない段階に入ってきたように思えます。
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