米雇用統計の発表注視、好数字ならドル高か
〇本日のドル円、129.75-95をコアレンジとしたトータル40ポイント足らずの往来相場、動意乏しい
〇本日発表の米雇用統計、非農業部門雇用者数はやや悪化の見込みだが、ある程度の悪化は想定済みか
〇年初来高値131.35を超えられるか否かにまずは注目、対するドルサポートは128.70台の21日移動平均線
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.20-130.50、ドル高・円安方向は130.24の攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向は、129.52が目先のサポート
<< 東京市場の動き >>
3日の東京市場は小動き。NY時間に発表される米雇用統計待ちといった様相もあったのか、目立った動意はほぼうかがえなかった。
ドル/円は129.90円レベルで寄り付いたものの、おおむねレンジ取引。129.75-95円をコアレンジとした、トータル40ポイント足らずの往来相場をたどっている。日経平均株価が終値ベースでも300円を超え、大きく上昇したものの為替市場の反応はいまひとつ。米雇用統計待ちに加え、中国市場の休場もあり売買の手控えムードが強かった。16時現在では129.90-95円推移、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「米金融政策」について。
前者は、英国防省が「ロシア軍はウクライナ東部要衝の大半を制圧した」との分析を発表したほか、ゼレンスキー大統領も「ロシア軍がウクライナの国土の約20%を占領している」ことを明かすなど、戦況としてはロシア軍の攻勢が目に付く。そうしたなか、ロシア貿易省が、半導体生産に必要なネオンなど希ガスの輸出を今年末まで制限したことを明らかにしており、そこここで供給不足の悪化が懸念されていたようだ
対して後者は、昨日発表された5月のADP雇用統計は予想を上回る期待外れの内容に。また、この日は米要人も発言も少し弱いトーンのものが多かったようだ。たとえば、ブレイナードFRB副議長は「9月の利上げ休止は想定しにくい」としつつも、「強い経済が多少冷え込むと想定」とファンダメンタルズ悪化へ警戒を指摘。また米クリーブランド連銀総裁も、「次の2回の会合で利上げを実施したのちは利上げペースについては状況を見極めなければならない」との考えを示していた。このあと発表される米雇用統計の内容如何では、急速な利上げ期待が後退する危険性もあるだろう。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日ドル/円はザラ場ベースで130.24円を付け、直近の戻り高値を更新するも値は飛ばず。結果として129円台へとプルバックしてきた。また、そののち本日の東京時間も129円後半を中心とした推移となっている。リスクという意味ではドル高方向にバイアスが掛かりそうだが、上値は重そうだ。年初来高値131.35円は一見すると、それほど遠くなさそうだが、実は「近くて遠い存在」というイメージを抱いている。
今後の米金融政策を占うひとつの要因として、このあとNY時間に発表される米雇用統計が注視されている。市場でもっとも注視されている非農業部門雇用者数はプラス32万人程度と、前月からやや悪化する見込みだ。ただ、前述したように昨日発表されたADP雇用統計が予想を下回ったこともあり、ある程度の悪化は想定済みか。むしろ、好数字が出た場合には「ポジティブ・サプライズ」となる可能性もある。
テクニカルに見た場合、ドル/円は短期的な形成レンジを上抜けたものの、年初来高値131.35円を上限とした大きなレンジは超えられず。個人的には、むしろドルの上抜けが失敗に終わった可能性すらあると思っているのだが、ともかく高値131.35円を超えていくことが出来るか否かにまずは注目だ。それに対するドルのサポートは、128.70円台で横這い化してきた移動平均の21日線。ザラ場ベースもさることながら、NYクローズで維持できるか否かにも注意を払いたい。
一方、本日は米経済指標として、5月の雇用統計や同ISM非製造業総合指数などが発表されるほか、ブレイナードFRB副議長の講演も予定されている。週末らしい荒っぽい展開にも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.20-130.50円。ドル高・円安方向は、昨日のドル高値130.24円の攻防にまずは注目。上抜けると130円半ば、そして131円レベルが視界内に。
対するドル安・円高方向は、同じく昨日安値129.52円が目先のサポート。割り込めば、21日線を目指した続落も否定できない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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