レンジ取引継続か、不安定な米株が波乱要因(1/20夕)

20日の東京市場でドルは逆行高。ザラ場ベースで前日安値を下回るなど、一時弱含みで推移するも切り返すとドルはむしろ小じっかり。

レンジ取引継続か、不安定な米株が波乱要因(1/20夕)

レンジ取引継続か、不安定な米株が波乱要因

〇本日のドル円、日経平均急反発に為替市場もドル買い円売り優勢で114.55レベルへ値を上げる
〇レンジ相場続くか、米株の動き次第では来週FOMC前にレンジ下離れの展開も
〇本日は1月フィラデルフィア連銀景況指数や米新規失業保険申請件数など発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.90-114.80、本日高値114.50-60が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は本日安値114.00-05、割り込んでも大崩れの展開は予想しにくい

<< 東京市場の動き >>

20日の東京市場でドルは逆行高。ザラ場ベースで前日安値を下回るなど、一時弱含みで推移するも切り返すとドルはむしろ小じっかり。

ドル/円は114.30円前後で寄り付いたのち、レンジ相場をたどるなか114.00-05円へと小緩む局面も。しかし114円割れに失敗するなか、当初はマイナス圏で推移するなど冴えなかった日経平均株価がザラ場ベースで400円高と急反発をたどったことが材料視されると、為替市場もドル買い・円売りが優勢に。日中高値の114.55円レベルへと値を上げ、16時現在でもドルは高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「英政治不安」について。
前者は、米国務長官がウクライナを訪問し、同国大統領と会談を実施。支援を表明するとともに、ウクライナに侵攻すれば重大な結果を招くとロシアをけん制している。またカナダのトルドー首相が米国務長官に同調するなど、ロシア包囲網も整いつつあるが、反面でロシアもプーチン大統領とイランのライシ大統領が会談を行い、「対米共闘」を確認するなど強気の姿勢を崩していない。依然として難しい状況に置かれていることは間違いなさそう。

対して後者は、英国のジョンソン首相が野党を中心とした辞任要求に直面している。キッカケは新型コロナウイルス禍で行動制限措置が導入されていた2020年に、首相官邸でパーティーを開いていたとされる問題。この件についてジョンソン氏は謝罪をしたものの、そののち「偽証した」との思惑が急台頭したことに加え、新たなパーティー開催疑惑も報じられており、信用失墜が著しいようだ。ただ、ジョンソン氏自身は、辞任の要求をいまのところ拒絶。昨日も議会でデービス元EU離脱担当相が首相の責任を指摘し、「辞任しろ」と迫ったがなんとか追求をかわしていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は年明け以降、先週末までで合計3円ほどの変動と、それなりに動いてきたが今週に入りレンジ相場の色合いが一気に強まった。実際、ドル/円は今週だけと考えるとほぼ114円台での推移、およそ1円レンジにとどまっている。予断を許さないものの、来週に市場の注目度が高い米FOMCを控えていることを考えると、短期的には足もとのレンジ取引が続く可能性も否定できない。
日米を中心とした各国金融政策への関心が依然として高く、前述したように来週の米FOMCをまずは見極めたいとの雰囲気がうかがえる。そうした考えが目先の市場動意を殺いでいる感を否めないが、ここ数日気になるのは米株の動き。NYダウになかなか強い売り圧力がかかっているようで、ナスダックなどの値動きも若干不安定。それらの動き如何では、来週の米FOMC前に、ドル/円は足もとレンジの下放れなどをたどる展開もありそうだ。

テクニカルに見た場合、足もとのドル/円はレンジ取引の様相で、前述したように今週だけと考えるとまだ1円ほどしか動いていない。足もとは方向性の乏しい状況で、もうしばらくレンジが続くとの見方が有力だが、敢えてリスクを指摘すれば本日東京時間に直近安値を下回るなど下方向にバイアスが掛かりそう。もちろん、NYダウなどの動き次第とはいえ、114円を一時的に割り込み、113円半ばレベルまでは下落しても不思議はないとの指摘も聞かれている。

材料的に見た場合、中長期的には、昨日バイデン米大統領から「制裁関税緩和の用意はまだない」との発言が聞かれていた「中国情勢」、WHOが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態が継続している」との判断を改めて示した「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「ウクライナ情勢」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、1月のフィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表されるほか、米財務省によるインフレ指数連動10年債入札が実施される見込みだ。またネットフリックスなどの決算発表、さらに21日までの日程で本日も「ダボス会議の準備会合」が実施される予定とされている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.90-114.80円。本日東京高値を含めた114.50-60円が最初の抵抗。超えれば移動平均の21日線も近い114円後半から115円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の114.00-05円。割り込めば当然113円台突入となりそうだが、それでも大崩れの展開は予想しにくい。

レンジ取引継続か、不安定な米株が波乱要因

ドル円日足

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