トルコリラ円ショートコメント
まず先週の振り返りですが、トルコリラ円はイラクにおけるクルド人自治区の独立住民投票の懸念もあるもののもみあいを予想「31.70レベルをサポートに、32.30レベルをレジスタンス」とする流れを見ていました。実際のレンジは安値が31.36レベル、高値が32.12レベルと、予想よりトルコリラ安での動きとなりました。
イラクの住民投票では独立賛成派が圧倒的多数ではあったものの政府としては投票そのものが違法との立場を取り、イラク政府はクルド人自治区の空路を封鎖、政府と自治区との緊張は高まったままの状態となっています。どの国でも自治区、自治州というのは人種や宗教など難しい問題を抱えて常に独立問題がつきまといます。
この週末にはスペインのカタルーニャでも同じようなことがありましたが、やはり同一国内の一部独立を認める中央政府は無いでしょうから、しばらくは緊張が続くものの最終的には抑えられるという流れでしょうか。ただクルド人の多くはトルコに住んでいるということもあって、エルドアン大統領はイスラエルが裏で動いたとの警戒発言を行っています。
イスラエルはクルド人自治区独立を支持している国家であり、ユダヤ人自らがユダヤ人国家であるイスラエルを建国したという事実があり、しばらくは(これまでもずっとではありますが)クルド人問題はトルコにとって大きな懸念材料のひとつとなりそうです。
今週のトルコは、あまり目立った材料がありませんので、テクニカルな観点から考えます。4時間足チャート(上からトルコ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
トルコ円、ドルトルコリラ、ドル円四時間足
これまでの上昇チャンネル(ピンクの平行線)を先週初の下げで下抜いていることがわかります。クルド人問題以外ではドルが全般的に強含み、米国の金利上昇に反応してドルトルコリラも上昇したという高金利通貨的な動きも要因のひとつですし、FXレバレッジ引き下げ案で個人投資家がポジションを縮小するような動きも一部ではあったものと見られます。
結局先週の下げがこれまでの上昇チャンネルを下降チャンネル(ピンクの太い平行線)へと変化させてきたことで、今週も戻り売りが出やすい週と考えざるを得ません。今週もじり安の展開を考え、31.15レベルをサポートに、31.70レベルをレジスタンスとする週を考えておきます。
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