南アランド週報:『レンジ相場継続も下抜けリスクに要警戒。電力不足や米金利上昇が重石』(2/4朝)

南アランドの対円相場は、週央にかけて7.44円まで下落後、週後半に7.57円まで反発しました。

南アランド週報:『レンジ相場継続も下抜けリスクに要警戒。電力不足や米金利上昇が重石』(2/4朝)

『レンジ相場継続も下抜けリスクに要警戒。電力不足や米金利上昇が重石』

〇今週のランド円、南ア経済の先行き不透明感等が重石となり週央にかけて7.44まで下落
〇その後週後半にかけ7.57まで反発するも、米長期金利の急上昇が重石となり7.50前後で推移
〇南ア円、アップサイドより複数のレジスタンスポイント垂れ下がる等、テクニカル的に極めて弱い地合い
〇ファンダメンタルズも、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃う
〇引き続き、南アランド売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.30ー7.65

今週のレビュー(1/30−2/3)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.55円で寄り付いた後、(1)電力不足長期化懸念に端を発した南ア経済の先行き不透明感や、(2)金利先高観後退に伴う南アランドの下落圧力(南ア中銀は先週の会合で「利上げ打ち止め」を示唆)、(3)テクニカル的な地合いの弱さが重石となり、週央にかけて、週間安値7.44円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)南ア12月貿易収支(結果54億ZAR黒字、予想53億ZAR黒字)の市場予想を上回る結果や、(5)南ア1月製造業PMI(結果53.0、予想52.1)の良好な結果、(6)米FOMCの無難通過(パウエルFRB議長記者会見が懸念されていたほどタカ派的では無かったことに対する安堵感)、(7)上記6を背景とした米長期金利の急低下(リスクオンの新興国通貨買い)、(8)金・プラチナ価格の底堅い動きが支援材料となり、週後半にかけて、週間高値7.57円まで反発しました。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(9)米1月雇用統計および米1月ISM非製造業景況指数のポジティブサプライズや、(10)上記9を背景とした米長期金利の急上昇(新興国から米国への資本流出懸念)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間2/4午前3時00分現在)では、7.50円前後で推移しております。

来週の見通し(2/6−2/10)

南アランドの対円相場は、週を通して「7.45ー7.60」を中心としたレンジ相場が継続しました。但し、アップサイドより複数のレジスタンスポイントが垂れ下がってきていること(上値余地の乏しさ)や、強い売りシグナルを示唆する「弱気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役逆転」「ダウ理論の下落トレンド」が継続点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて弱い」と判断できます(目先は1/19に記録した年初来安値7.39がターゲット)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南アフリカ国内で広がる慢性的な電力不足(国営電力会社エスコムによる相次ぐ計画停電)や、(2)上記1に伴う南アフリカ経済の先行き不透明感(南ア中銀は1/26に2023年の経済成長率見通しを+1.1%から+0.3%へ下方修正)、(3)南アフリカランドの金利先高観後退(南ア中銀は1/26に開催した金融政策決定会合で市場予想の50bpを下回る25bpの利上げを実施→2021年11月より開始した利上げサイクル終了の思惑)、(4)南アフリカを巡る政局不透明感(与党・アフリカ民族会議の支持率低下→来年予定されている次期総裁選に向けて、与党・アフリカ民族会議の分裂リスクや左派政党躍進リスクなど懸念山積)、(5)日銀による金融緩和の修正観測(日本と南アフリカの金融政策格差)、(6)米FRBによる金融引き締め早期休止観測の後退(米1月雇用統計および米1月ISM非製造業景況指数の力強い結果を受けて、米利上げ観測が再浮上→新興国から米国への資本流出を想起)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は南ア1月SACCI景況感指数や、南ア12月製造業生産に注目が集まります。市場予想を下回る場合には、南アランドに強い下押し圧力が加わる恐れがあるため、来週は週を通して下落リスクに注意が必要でしょう(上記以外にも日銀人事や米当局者発言に揺さぶられる恐れあり)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.30ー7.65

注:ポイント要約は編集部

『レンジ相場継続も下抜けリスクに要警戒。電力不足や米金利上昇が重石』

南アランド円日足

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