ドル安リスク高いが、思いのほか底堅い(4/15夕)

15日の東京市場はレンジ取引。108円後半、20ポイント程度の揉み合いで方向性はうかがえなかった。

ドル安リスク高いが、思いのほか底堅い(4/15夕)

ドル安リスク高いが、思いのほか底堅い

〇本日のドル円、108.80-95といった非常に狭いなかでの揉み合いに終始
〇ドル円以外の通貨ペアも総じて小動き、ドル絡みや円クロスなども軒並みレンジ取引
〇米ホワイトハウス報道官がイランとの核合意協議を15日に再開すると発表
〇ロイター「米政府は早ければ15日にもロシアに対する追加制裁を発表」と報じる
〇短期的なリスクは下方向だが思いのほかドルは底堅く、目先大崩れする展開は見込みにくい
〇本日は4月NY連銀製造業景況指数など注目度の高い米経済指標の発表が相次ぐ
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは108.30-109.30

<< 東京市場の動き >>

15日の東京市場はレンジ取引。108円後半、20ポイント程度の揉み合いで方向性はうかがえなかった。

ドル/円は108.90-95円で寄り付いたものの、動意に乏しい。108.80-95円といった非常に狭いなかでの揉み合いに終始している。結局、16時現在では108.85-90円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、本日はドル/円以外の通貨ペアも総じて小動き。ドル絡みや円クロスなども軒並みレンジ取引で、積極的な売買はほぼ手控えられている。

一方、材料的に注視されていたものは、「イラン情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、IAEAが「イランはウラン濃縮60%への引き上げ準備をほぼ完了した」と説明するなか、欧州における英独仏の3ヵ国は「イランのウラン濃縮に重大な懸念を表明する」とした共同声明を発表した。一方、米ホワイトハウス報道官は、休止していたイランとの「間接的」核合意協議を15日に再開する旨を明らかにしている。一連の状況に進展があるのか否か注目だ。
対して後者は、ロシアとウクライナの情勢が緊迫感を増している。それぞれが軍事演習を実施したとされ、またロシアはウクライナ国境付近に軍部隊を増強させているとの報道も別途観測されていた。予断は許さない。なお、米露関係が冷え込むなか、それとは別にロイターが「米政府は早ければ15日にもロシアに対する追加制裁を発表する」と報じている。「米選挙への介入と悪意あるサイバー活動」が理由とされており、30程度の団体が制裁対象に指定されるようだという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、過去1週間ほど推移してきた109円台を昨日下放れしたものの、依然として底堅く値が飛ばない。ここまでのドル安値は108.75円、本日は108.80円を割り込むことすら出来ていない。レンジを下放れしたという事象を考えると、短期的なリスクは下方向に高そうだが、思いのほかドルは底堅く、目先大崩れする展開は見込みにくいとの声も決して少なくないようだ。

材料的には、注目の米経済指標発表が相次ぐうえ、前述した米国とイランの「間接的」核合意協議再開などにも注目。また、明16日に実施される日米首脳会談への関心も高く、とくに対中や対露でどういった協調姿勢が示されるのかが注視されている感を否めない。また、会談に向けた中国や北朝鮮などによるけん制の動きを警戒する声も聞かれていた。そのほか、本日も引き続き新型コロナ関連の話題、とくにワクチンに関するニュースには要注意。

テクニカルに見た場合、ドル/円はサポートだった109円を下抜け、上値が重くなってきた感はあるものの、下値も堅い。足もとは108円後半で下げ渋りの様相だ。よもや「ダマシ」の公算は低いとみるが、108円半ばや108.30-40円で下げ止まるようだと、再び上値をトライする展開をたどっても不思議はないだろう。レンジを下放れたことによるドル下値トライの持続性が試されている。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、4月のNY連銀製造業景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数といった注目度の高い米経済指標の発表が相次ぐうえ、アトランタ連銀総裁やサンフランシスコ連銀総裁による講演、シティグループなどによる決算発表とイベント盛りだくさん。もっとも、材料が多過ぎて焦点を絞り切れず、逆に動きにくくなるという懸念も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.30-109.30円。上方向は、昨日欧米時間に記録したドル高値109.10円レベルが最初の抵抗。超えれば移動平均の21日線などが位置する109円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の108.75円をめぐる攻防にまずは注目。下回れば108.30-40円を目指し、それも割り込めば108円前後が意識されそうだ。

ドル安リスク高いが、思いのほか底堅い

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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