議事録要旨
予想外のGDP好調の要因は資源輸出
第1四半期のGDPは5月の金融政策時の予想に反して強い数値となり、委員達はこの件に関して議論した。
6月末四半期の成長は緩やかなものが予想されるが、年末に向けては予想よりも幾分強いものが潜在的にあるとの見込みを持っている。但し、名目GDPが実質GDPよりも低いということは貿易関連と国内物価の下落が幾分残っていることである。
3月末四半期GDP成長の牽引は純輸出の増加にあった。これは輸出面で資源関連が伸びたことによる。サービス輸出も強い伸びを示し、最近の豪ドル安にも助けられている。
委員達は、この資源輸出の伸びが、引き続き低下している鉱山関連の成長鈍化を相殺する可能性があることに留意した。
非鉱山関連は3%以上の伸び、雇用は安定、改善傾向
全体的に、非鉱山関連の伸びは年末に向けて3%以上の伸びを示すと思われる。3月末までの過去1年間では、消費は10年間の平均レベルで推移しており、低金利による住宅関連の伸びは続いている。政府投資は平均レベルで、非鉱山関連投資が下がっている。企業投資は減少しているが、これは鉱山関連投資が減少しているためである。
また雇用は失業率が約5.7%で安定している。最近の雇用関係のデータはまちまちだが、コンスタントに改善を辿っている。
インフレ期待は平均以下
短期的なインフレ期待数値は依然として平均以下に留まっている。長期インフレ期待も平均以下になっている。
(海外経済見通しは前回とほぼ同じ内容ですので省略しました)
前回の25ベーシスの利下げで国内の借入金利も下がってきた。一方で、住宅投資家への借入金利は1年前と比較しても金利が上がっている。キャッシュレート下げで、ほとんどの金利が下がっているものの、借入者に対する銀行のサービス状況は以前と変わっていない状況を委員達は確認した。
前回利下げ以降、豪ドルは明らかに安くなった。米国の利上げ期待感も通貨安をもたらしている。最近の経済データは全般的にポジティブになってきている。GDPは予想より上昇し、これは非鉱山関連セクターの伸びによるものである。また2013年以降の利下げや豪ドル安も貢献している。この非鉱山関連のマイナスも資源輸出の伸びで相殺されている。にも関わらず、インフレは依然として低いままである。低金利の据え置きを継続していることで、今後も経済の下支えになるとみている。そしてインフレも目標に近付いていくとみている。
委員会はキャッシュレート1.75%のまま据え置くことを決定した。
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(コメント)年末に向けて利下げ打ち止め?
GDPの伸びや経済データの改善を初めて認めています。まだ先々の状況は予断許しませんが、年末に向けては利下げ打ち止めなどのニュアンスが出てくることもそろそろ想定しておいた方が良いかもしれません。まだ豪ドル高に戻ることは中銀も許容しない感じですが、トレンドとしてのファンダメンタルズ改善見られた場合には止む無しになります。年末に向けて注目はインフレ指標の改善になりそうです。
A$ドルは0.7510が重要なレジスタンス
議事録公表後は、対米ドルで若干豪ドル高に向かいましたが、まだレンジ上限の0.7510には届いていません。このポイントを上抜くか否かで、豪ドル/円の動きにも影響を与えてくると思われます。対円では豪ドル安トレンドになっていますので、上限抑えられると、豪ドル安が早くなりそうで、レンジ上限越えるとドル全面安になりそうですので、対円でも豪ドル安の流れが緩やかになる可能性が出てきます。
オーダー/ポジション状況
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