トルコリラ円レポート月曜版
〇31日のカブジュオール総裁の金融引き締め発言で週末にかけて週間高値を更新する動きに
〇中銀総裁解任後の戻り高値14.07レベルは当面の間は強いレジスタンスに
〇4/15の中銀会合が大きなヤマ場、今週は逆に動きにくくなるか
〇今週も基本は戻り売り、昨年12月安値の12.01を試しに行ってもおかしくはない
〇今週は13.00レベルをサポートに、13.80レベルをレジスタンスとする
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「安値を改めて試しやすいと見て、13.10レベルをサポートに13.90レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が13.00レベル、高値が13.80レベルとなり、前週安値は更新せずに買い戻しが入る動きを見せました。
先週のトルコリラは、前週の戻りが鈍かったことから上値の重たいスタートを切りましたが、中銀総裁に続いて30日には中銀副総裁も解任され、同日にトルコリラは対ドルで8.4525レベル、対円で13.00レベルまで水準を下げました。しかし翌31日にはカブジュオール総裁が引き締めスタンスを維持すると発言したことで週末にかけては週間高値を更新する動きでの引けとなりました。
果たして31日の新総裁の発言が守られるのかどうかは4月15日の中銀会合待ちとなりますが、市場参加者はやはり利下げを行うのではないかという懸念も根強いことから、当面は中銀の動向に注目が集まるでしょう。本日の3月CPIの数字は前年比で16.11%と先月の15.61%から上昇する予想となっていることを考えると、仮に予想よりも低い数字が出たとしても引き締めを継続すべきということになりますが、どうなるでしょうか。
他にも格付け会社がトルコ中銀の中立性に対する懸念を示したり、海外投資家が投資を引き上げる動きが依然として続いていたりと悪材料が目立ちますので、前回の中銀総裁解任後の戻り高値14.07レベルは当面の間は強いレジスタンスとなってくると考えられます。
また国内個人投資家によるトルコリラ買いのポジションも中銀総裁解任で急落した際に減ってはいますが、金額的には1割も減っていないまま先週末まで推移している様子です。引き続き買いポジションが残っていることを考えると、4月15日には大きなヤマ場を迎えることとなりますが、今週は逆に動きにくくなってくるでしょう。
ただ、トルコリラを取り囲む環境はこれといった好材料が見当たらないことから今週も基本は戻り売りと考えた方がよさそうです。今後の動き次第では昨年12月安値の12.01をいつ試しに行ってもおかしくはありません。
テクニカルには、いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
3月22日早朝の急落とその後の戻り高値を起点としたトライアングルを形成中です。今週末にはトライアングルの頂点まで行ってしまいますので、通常はその前にどちらかに抜けるパターンです。そしてトライアングル形成前にギャップダウンしていることから、形成前の動きは下げとなり、教科書的にはコンティニュエイション(継続)パターンで、下抜ける可能性が高いと考えることになります。
今週は先週のレンジを繰り返しやすいと考え、13.00レベルをサポートに、13.80レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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