ドル円見通し 11月19日未明安値を割り込んでから反発するも104円前後に抵抗感(20/12/15)

しかし14日深夜の反騰で104.09円まで戻し、15日朝にかけては104円を挟んだ揉み合いとなっている。

ドル円見通し 11月19日未明安値を割り込んでから反発するも104円前後に抵抗感(20/12/15)

ドル円見通し 11月19日未明安値を割り込んでから反発するも104円前後に抵抗感

〇ドル円、12/14夜103.51まで下落、持ち合いからいったん下放れたが12/14深夜104.09まで戻す
〇NYダウ史上最高値更新から反落、ナスダック高値から100ポイント以上下落、リスクオンとオフ交錯
〇ドル指数下落、全般的なドル安基調が継続している印象
〇ユーロ・豪ドル、対ドルで高値水準、ドル安基調継続としてドル円も安値試しへ向かいやすい状況か
〇103.75以上での推移中は上昇余地あり、104.25超えからは104.50試しへ向かうとみる
〇103.75割れから続落の場合は103.51試しとし、底割れからは103円前後への下落を想定

【概況】

ドル円は11月19日未明安値103.65円の後は103.60円台を下値支持線とし、11月24日深夜と12月2日夜に104.75円の同値を付けて上値抵抗線とした持ち合いレンジでの推移が続いてきた。12月3日深夜安値は103.67円にとどまり、12月10日夜高値は104.57円でレンジ内となっていたが、14日夜のドル安局面で103.51円まで下落して持ち合いからいったん下放れた。しかし14日深夜の反騰で104.09円まで戻し、15日朝にかけては104円を挟んだ揉み合いとなっている。
持ち合い下放れに入りかけたところから戻しているので、現状は土俵で言えば徳俵に足が残った状況だが、安値更新からの反発で戻り高値切り上げ、つまり12月10日夜高値104.57円を超えない限りは次の下落期に安値を更新して持ち合い下放れの再確認となり、11日6日夜安値103.17円割れを目指す展開となりかねないところと思われる。

【NYダウは史上最高値更新から反落、リスクオンとオフの交錯】

米製薬大手ファイザー社と独ビオンテック社が共同開発した新型コロナウイルスワクチンの接種が米国でも12月14日から始まった。米モデルナ社のワクチンも今週には緊急使用の許可が下りる見通しとなる中、NYダウは30325.79ドルを付けて史上最高値を更新したが、足元の感染拡大の深刻さを警戒して前日比184.82ドル安と下落して終了した。高値からは470ドルを超える下落となった。ナスダック総合指数は62.17ポイント高とプラス圏を維持したが高値からは100ポイント以上の下落となり、リスク選好感と足元の不安が交錯する展開となっている。

米国の感染者累計は1690万人を超えて死者が30万7845人となった。ロイター通信が死者30万人超えを報じたことや、ニューヨーク市のデブラシオ市長が「春の終わりに実施したような完全な経済封鎖に備えなければならない」と警告的な発言をしたこと等から史上最高値を更新した米国株式市場も利食い売りが急がれた印象だ。
英国でも規制を緩めた途端に感染者急増となり14日は新規感染者が2万人を超えている。ドイツもメルケル首相が厳しいロックダウンを宣言しているが14日には1万8千人を超える増加となっており厳しい状況にある。
14日夜の為替市場は夜にかけて米国株高を反映してリスク選好でドル安となり、ドル円も持ち合いから下放れるような下落となったが、ダウが急反落に転じるとドルの買い戻しが進みドル円も104円まで戻す反発となった。

【全般的なドル安基調は続く】

メジャー通貨の加重平均であるドル指数は12月14日に90.42まで下落した。12月4日の下落で9月1日安値を割り込む一段安となり3月20日天井以降の安値を更新した後は新たな安値更新を回避して下げ渋っていたが、14日は4日の安値を割り込んでおり、全般的なドル安基調が継続している印象を強めた。
ユーロドルも深夜のドル高局面で小反落したものの12月10日未明安値からの上昇基調の範囲にあり、12月4日高値で9月1日高値を上抜いて3月コロナショック以降の高値を更新した後も高値圏を維持している。
感染抑制成功国として選好的に買われている印象が強まっている豪ドル米ドルも14日夜にはこの間の高値を更新して2018年6月序盤以来の高値水準に達しているが、9月1日高値を超えてダブル天井破りによる一段高入りで先高感も強まっている。新興国通貨はややまちまちの展開に入っていることやポンド/ドルが英国とEUのFTA交渉難航で乱高下していることもあるが、メジャー通貨及びオセアニア通貨高が続いているうちは中勢のドル安基調継続としてドル円も安値試しへ向かいやすい状況と思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、12月3日深夜安値からの上昇が続いてきたが、11日早朝へ反落により11日朝時点では10日夕高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとした。またボトム形成期は10日深夜から14日深夜にかけての間としていたが、14日夜に一段安してから反騰したために14日夜安値を直近のサイクルボトムとする。トップ形成期は15日夕から17日夕にかけての間と想定されるが戻りは短命の可能性もあるので103.75円割れからは弱気転換注意として14日夜安値試しとし、底割れからは新たな弱気サイクル入りとして17日夜から21日深夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では10日夜の反落で遅行スパンが悪化し、11日午前に先行スパンから転落してきた。14日深夜の反騰で遅行スパンは好転まで戻したが、先行スパン下限が上値を抑えている。このため先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパン悪化から下げ再開となる可能性を警戒し、先行スパン突破からは104.50円超を目指す上昇入りとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。またいったん先行スパンを上抜いても早々に転落するところからは下げ再開とみる。
60分足の相対力指数は14日夜に30ポイント台序盤へ急落してから50ポイント台回復まで戻した。50ポイント以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは上昇余地ありとするが45ポイント割れからは下げ再開と30ポイント前後を目指す下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、103.75円を下値支持線、104.25円を上値抵抗線とする。
(2)103.75円以上での推移中は上昇余地ありとし、104.25円超えからは104.50円試しへ向かうとみる。104.40円以上は反落警戒とするが、103.85円以上での推移なら16日朝にかけては高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)103.75円割れから続落の場合は下げ再開を警戒して14日夜安値103.51円試しとし、底割れからは新たな下落期入りとして103円前後への下落を想定する。103円台序盤は買い戻しも入りやすいとみるが、103.75円以下での推移なら16日朝にかけても安値試しを続けやすいとみる。

【当面の主な予定】

12/15(火)
米連邦公開市場委員会(FOMC)初日
09:30 (豪) 豪準備銀行(RBA)、金融政策会合議事要旨公表
11:00 (中) 11月 小売売上高 前年同月比 (10月 4.3%、予想 5.0%)
11:00 (中) 11月 鉱工業生産 前年同月比 (10月 6.9%、予想 7.0%)
16:00 (英) 11月 失業保険申請件数 (10月 -2.98万件)
16:00 (英) 11月 失業率 (10月 7.3%)
16:00 (英) 10月 失業率・ILO方式 (9月 4.8%、予想 5.1%)

22:30 (米) 12月 ニューヨーク連銀製造業景況指数 (11月 6.3、予想 6.9)
22:30 (米) 11月 輸入物価指数 前月比 (10月 -0.1%、予想 0.3%)
22:30 (米) 11月 輸出物価指数 前月比 (10月 0.2%、予想 0.3%)
23:15 (米) 11月 鉱工業生産 前月比 (10月 1.1%、予想 0.3%)
23:15 (米) 11月 設備稼働率 (10月 72.8%、予想 73.0%)
30:00 (米) 10月 対米証券投資・全体 (9月 -799億ドル)
30:00 (米) 10月 対米証券投資・短期債除く (9月 1089億ドル)

12/16(水)
休場 南ア
06:45 (NZ) 7-9月期 経常収支 (4-6月 18.28億NZドル、予想 -36.50億NZドル)
08:30 (豪) 11月ウエストパック景気先行指数 前月比 (10月 0.1%、予想 0.3%)
08:50 (日) 11月 貿易統計・通関・季調済 (10月 3143億円、予想 5457億円)
08:50 (日) 11月 貿易統計・通関・季調前 (10月 8729億円、予想 5225億円)
16:00 (英) 11月 消費者物価指数 前月比 (10月 0.0%、予想 0.1%)
16:00 (英) 11月 消費者物価指数 前年同月比 (10月 0.7%、予想 0.6%)
16:00 (英) 11月 消費者物価コア指数 前年同月比 (10月 1.5%)
16:00 (英) 11月 小売物価指数 前月比 (10月 0.0%、予想 0.2%)
16:00 (英) 11月 小売物価指数 前年同月比 (10月 1.3%、予想 1.3%)
16:00 (英) 11月 生産者物価コア指数 前年同月比 (10月 0.5%)

17:15 (仏) 12月 製造業PMI速報値 (11月 49.6、予想 50.1)
17:15 (仏) 12月 サービス業PMI速報値 (11月 38.8、予想 40.0)
17:30 (独) 12月 製造業PMI速報値 (11月 57.8、予想 56.5)
17:30 (独) 12月 サービス業PMI速報値 (11月 46.0、予想 44.0)
18:00 (欧) 12月 製造業PMI速報値 (11月 53.8、予想 53.0)
18:00 (欧) 12月 サービス業PMI速報値 (11月 41.7、予想 41.8)
18:30 (英) 12月 製造業PMI速報値 (11月 55.6、予想 55.7)
18:30 (英) 12月 サービス業PMI速報値 (11月 47.6、予想 50.5)
19:00 (欧) 10月 建設支出 前月比 (9月 -2.9%)
19:00 (欧) 10月 建設支出 前年同月比 (9月 -2.5%)
19:00 (欧) 10月 貿易収支・季調済 (9月 240億ユーロ)
19:00 (欧) 10月 貿易収支・季調前 (9月 248億ユーロ)

22:30 (米) 11月 小売売上高 前月比 (10月 0.3%、予想 0.3%)
22:30 (米) 11月 小売売上高・除自動車 前月比 (10月 0.2%、予想 0.1%)
23:45 (米) 12月 製造業PMI速報値 (11月 56.7、予想 56.0)
23:45 (米) 12月 サービス業PMI速報値 (11月 58.4、予想 55.8)
24:00 (米) 10月 企業在庫 前月比 (9月 0.7%、予想 0.6%)
24:00 (米) 12月 NAHB住宅市場指数 (11月 90、予想 88)
28:00 (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)、金利発表 (現行 0.00-0.25%、予想 0.00-0.25%)
28:30 (米) パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見

注:ポイント要約は編集部


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