米雇用統計を注視、レンジ放れへの期待も(12/4夕)

4日の東京市場は、ドルの上値が重い。ユーロ高・ドル安の動きなどに連れ、ドル/円も底堅く推移したが頭も重く、104円前後でキャップされている。

米雇用統計を注視、レンジ放れへの期待も(12/4夕)

米雇用統計を注視、レンジ放れへの期待も

〇ドル円、12/4の東京市場は25ポイント程度のレンジ取引、104円手前では上値が重い展開
〇韓国ウォン高進む、ドル/ウォンは1080ウォン近くまで一時値を下げ、連日の年初来安値更新
〇米中関係、米国の政策により再び両国関係悪化の兆し、中国サイドの反応にも注意
〇本日発表の11月雇用統計への警戒強い、結果によっては米株やドルへの影響の可能性も
〇本日、10月貿易収支も発表予定、要人の公演や英EU通商交渉の行方も注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.20-104.40

<< 東京市場の動き >>

4日の東京市場は、ドルの上値が重い。ユーロ高・ドル安の動きなどに連れ、ドル/円も底堅く推移したが頭も重く、104円前後でキャップされている。

ドル/円は103.85円前後で寄り付いたものの、上下ともに攻め手に欠け、25ポイント程度のレンジ取引。103.70円前後で下値は堅いが、前日のNY時間に再び割り込んできた104円手前では上値も重く、結局一度も越えることは出来なかった。NY時間に発表される米雇用統計を注視しつつ、16時現在ドル/円は103.80-85円で推移、欧米時間を迎えている。
そうしたなか、昨日2018年6月以来となる1100ウォン割れを示現した韓国ウォンは、本日さらにウォン高が進行。ドル/ウォンは1080ウォン近くまで一時値を下げ、連日の年初来安値更新となった。

一方、材料的に注視されていたものは、「英EU通商交渉」と「米中関係悪化」について。
前者は、引き続き楽観と悲観が取り沙汰されるなど、情報が錯綜した状態。たとえば、「交渉は完了に近い兆し」といった報道が観測される反面、ブルームバーグでは「土壇場で合意遠のく」と報じるなど、悲観的見解を示していた。なお、そうしたなか局面打開へ向けた動きなのか、「ジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長が4日ないし5日に電話協議を行う可能性」(ブルームバーグ)もあるようだ。

対して後者は、米国による矢継ぎ早な政策により、再び両国関係悪化の兆しがそこここで観測されている。いくつか例を挙げると、米株式市場で会計監査基準を満たさない中国企業を上場廃止にする法案が2日に米議会を通過したことに続き、米国務省が「中国共産党の党員などへの渡航制限する新たな規制を導入」を発表。また、中国の新疆ウイグル自治区の綿は「奴隷労働」により生産されているとして、「新彊綿の輸入を阻止する」旨の発表、「投資を禁じる中国軍関連企業に中芯国際集成電路製造(SMIC)など4社を追加」したことも明らかにしている。これらに対する中国サイドの反応、報復の動きなどにも要注意。

<< 欧米市場の見通し >>

激しい鍔迫り合いの続く新型コロナとワクチン開発の動きだが、ナスダックが史上最高値を更新するなど、米株の動静を見る限りでは、後者であるワクチン開発を好感する動きがやや優勢であるのかもしれない。そんな米株については続伸を期待する声が多いものの、本日は週末ということもあり、利益確定売りに押される一時的な下押しを見込む向きも少なくないようだ。
そうしたなか、材料的に注視されているものは、発表される米経済指標。とくに11月の雇用統計への警戒が強い。ちなみに、事前予想ではもっとも関心の高い非農業部門雇用者数はプラス47万人程度、失業率は6.8%が見込まれている。先日発表されたADP雇用統計が予想より悪い数字となっただけに、本日発表の米雇用統計も同様に悪化すれば、米株やドルなどの格好の売り材料になるかもしれない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は一昨日に104.75円を示現し11月24日に記録した高値に面合わせ。しかし、これがダブルトップをつけた格好で、そののち1円以上もの反落に転じている。つまり、一転してドルの下値リスクが高まったとも言えそうだが、それでもレンジ内には踏みとどまったまま。まずは、2週間以上も推移している103.66-104.76円という1.1円レンジをめぐる攻防に注目だ。とくに、米雇用統計発表前後の動きには注意を払いたい。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の材料としては、10月の貿易収支や11月の雇用統計といった米経済指標が発表されるほか、ボウマンFRB理事などによる講演にも要注意。そのほか、米国ファクター以外では前述した「英EU通商交渉」の行方も気に掛かる。目に見える進展はあるのだろうか。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.20-104.40円。時間足などで見た短期の抵抗になっている感のある104円レベルの攻防にまずは注視。上抜けると、移動平均の21日線(104.35-40円)、レンジ上限の104.76円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、レンジ下限である103.66円が目先のサポート。しっかり割り込むと11月安値103.18円が意識されそうだ。

米雇用統計を注視、レンジ放れへの期待も

ドル円日足


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