ドル円、一時約1週間ぶり高値圏へ上昇するも結局反落。上値の重さが浮き彫りに
〇ドル円105.75まで上昇後一目均衡表の「雲」下限に阻まれ反落105.50割れ
〇ユーロドルは欧米株上昇によるリスク選好等で一時1.1841まで上昇
〇ドル円105円台後半にかけての上値の重さを再確認
〇ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇本日は米大統領候補討論会を翌日に控え上値の重い展開か
〇本日の予想レンジ:105.00ー105.80
海外時間の為替概況
20日(火)の外国為替市場でドル円は上昇。@本邦公表相場決定にかけての需給要因(5・10日要因)や、A欧米株の上昇を背景としたリスク選好の円売り圧力(クロス円上昇→ドル円連れ高)、B米9月建設許可件数の良好な結果(2007年3月以来最高の水準)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、約1週間ぶり高値となる105.75まで上昇しました。しかし、一目均衡表雲下限に続伸を阻まれると、C米追加景気対策への不透明感(ペロシ議長が大統領選前の合意期限と定めていた10/20を前にした警戒感)が重石となり、引けにかけては再び反落。本稿執筆時点(日本時間4時20分現在)では、105.45近辺まで値を崩す展開となっております。
20日(火)のユーロドル相場は堅調な展開。@欧米株の上昇を背景としたリスク選好のドル売りや、A対英ポンドでのユーロ買い圧力、Bドイツ9月生産者物価指数の急上昇(ECBによる追加緩和観測の後退)、Cユーロ圏8月経常収支(季調済)の黒字幅拡大、D節目1.18突破に伴う短期筋のロスカット、E米追加景気対策への不透明感(ペロシ議長が大統領選前の合意期限と定めていた10/20を前にした警戒感)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、約1ヵ月ぶり高値となる1.1841まで急伸しました(9/21以来の高値)。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時20分現在)では、1.1827近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、10/7に記録した約3週間ぶり高値106.12をトップに反落に転じると、10/14には一時105.04(約2週間ぶり安値)まで下落しました。この間、一目均衡表雲下限やボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線や基準線を下抜けするなど、テクニカル的にみて、上値の重さを印象付けるチャート形状となっております(昨日は一時105.75まで反発するも結局反落。105円台半ばから105円台後半にかけての上値の重さを再確認)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立先鋭化リスク、C米政治の先行き不安(10/22に予定されている第2回大統領候補討論会や、11/3の米大統領選への不透明感)、D朝鮮半島や中東、香港や中央アジアを巡る地政学的リスク、E新型コロナウイルスの感染再拡大リスク(欧米を中心に感染拡大の動き)、F日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、G実体経済と株価の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク)、H米追加景気対策の後ずれリスク(追加景気対策を巡る報道は二転三転)、I英国の合意無き離脱リスクなど、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、下落リスクが警戒されます。新型コロナウイルスや米追加景気対策を巡るヘッドライン(大統領選前の追加景気対策合意がなされるか否か)や、欧米株や米長期金利の動向、米主要経済指標の結果(米MBA住宅ローン申請件数やベージュブックなど)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(本日は米大統領候補討論会を翌日に控え上値の重い展開が続くと想定)。
本日の予想レンジ:105.00ー105.80
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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