ドル高基調続くか注視、レンジ放れの期待も(10/20夕)

20日の東京市場は、ドルが小高い。一時105.60円台を示現、13日以来の高値を記録していた。

ドル高基調続くか注視、レンジ放れの期待も(10/20夕)

ドル高基調続くか注視、レンジ放れの期待も

〇ドル円、一時1週間ぶりの高値となる105.60-65まで値を上げるなど、ドルが小高い展開
〇米国「新型コロナの経済対策協議」まとまらず、20日に再協議行う予定
〇新型コロナ、感染者4000万人を突破、感染スピードが加速している状況
〇本日発表の米経済指標、欧米要人による発言機会に注目
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.20-105.90

<< 東京市場の動き >>

20日の東京市場は、ドルが小高い。一時105.60円台を示現、13日以来の高値を記録していた。

ドル/円は寄り付いた105.35-40円を日中安値にドルが小じっかり。ゴトー日仲値不足観測に加え、時間外で取引されているNYダウ先物が一時150ドル程度も上昇したことなどが好感され、ドル買い・円売りが優勢となった。1週間ぶりの高値となる105.60-65円まで値を上げている。その後は、株高の動きが徐々に失速したこともあり、やや緩むも底堅い。16時現在、ドル/円は105.50-55円で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米国情勢」と「中国情勢」について。
前者は、ペロシ米下院議長とムニューシン財務長官が「新型コロナの経済対策」の電話協議を行うも、またもやまとまらず。ただ、「双方の意見の相違を引き続き調整した」ことが明らかになったうえ、20日に再協議を行うことも改めて示されていた。そうしたなか、FRB副議長からは「景気回復を支えるためあらゆる手段講じる」といった発言が聞かれていたようだ。
対して後者は、インド国防省が、日本の海上自衛隊と米海軍との今年の共同訓練「マラバール」に豪州海軍が参加すると発表。4ヵ国による中国包囲網の動きが鮮明化するなか、米国務長官からは「中国依存は甚大なリスク、自らの安全保障のために中国輸入への依存を減らす必要がある」との発言も聞かれていた。その一方、中国サイドからは、中国に在留する米国人を拘束する可能性があると米国政府に警告した、との報道が否定されている。

<< 欧米市場の見通し >>

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計結果として、新型コロナの感染者はついに4000万人を突破。しかも、感染スピードが徐々に加速しており、最初の1000万人に達するのに6ヵ月程度かかったものが、3000万人から4000万人になるのにはわずか1ヵ月強の時間しか要していない。引き続き欧州を中心とした第2波あるいは第3波への警戒と、それに対する行動制限などの対策、ならびにワクチン開発をめぐるニュースに一喜一憂する展開が、いましばらく続きそうだ。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「米大統領選」、「ベラルーシ情勢」、「トルコ情勢」など注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、米国ファクターとしては、「新型コロナの経済対策協議の行方」が注視されているものの、まったくもって遅々として進んでいないのが現状だ。ペロシ米下院議長などの発言を聞くと、「早期合意」も期待されるところだが、実際のところは、なかなか一朝一夕に進むということを予想しにくいのかもしれない。

テクニカルに見た場合、昨日レポートしたように過去1週間程度と考えれば、ドルの上値メドは105.60円レベルであり、それを本日東京で上抜きかかったものの、本稿執筆段階ではしっかりとは超えられていない状況だ。このあとも攻防が注視されよう。抜ければドルの続伸が予想されるものの、過去3週間程度のドル上値を阻んできた106.11円はかなり強い抵抗に。依然としてドルの上値は重いと考えられている。

本日、9月の住宅着工件数や同建設許可件数といった米経済指標が発表される予定となっているほか、本日も欧米要人による講演などの発言機会が相次ぐ。例えば後者は、FRB副議長やNY連銀総裁、シカゴ連銀総裁、アトランタ連銀総裁などによる講演が見込まれている。市場の波乱要因として注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.20-105.90円。前述したように、過去1週間程度ドルの上値を阻んできただけでなく、東京時間にもしっかりとは越えられなかった105.60円レベルが最初の抵抗。上抜ければ直近高値の106.11円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、14日安値の105.04円を目先ボトムに下値をじりじりと切り上げており、ごく短期でいえば105.30-35円がサポートか。ただ、割り込んでも105.20円レベルや前述した105.04円などフシ目は多く底堅そう。

ドル高基調続くか注視、レンジ放れの期待も

ドル円日足


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