ドル円、方向感に欠ける展開が継続。本日は米雇用統計がメインイベント
〇ドル円欧米株堅調で一時105.75まで上昇するも前日高値に及ばず105.55レベルに反落
〇ユーロドル 英国の合意なき離脱後退観測等で1.1770まで上昇後、1.1744に押し戻される
〇ドル円テクニカル、ファンダメンタルズとも下落リスク警戒される
〇売買停止明けの東証動向、米雇用統計、スペインのロックダウン再開等注視
〇日中は雇用統計前様子見で方向感に欠ける動きか
〇本日の予想レンジ:104.90ー105.80
海外時間の為替概況
1日(木)の外国為替市場でドル円は上昇後に伸び悩む展開。@東京証券取引所の売買が終日停止の異常事態に見舞われたことで、アジア時間に一時105.42まで下げ幅を広げるも、A欧米株が堅調に推移すると、B上記Aを背景としたリスク選好の円売り圧力や、C米追加景気対策期待、D米経済指標(米新規失業保険申請件数や、米8月コアPCE価格など)の良好な結果、E米長期金利の上昇が支援材料となり、米国時間には一時105.75まで上昇しました。しかし、前日高値105.81をバックに伸び悩むと、F米9月ISM製造業景況指数(結果55.4、予想56.3)の冴えない結果や、G米追加景気対策期待の後退(民主党のシューマー上院院内総務による「与野党の交渉が依然難航している」との発言)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、105.55近辺まで押し返される動きとなっております。
1日(木)のユーロドル相場は上昇後に伸び悩む展開。@英国と欧州連合は国家補助について落としどころを見つけつつあるとの一部報道(英合意無き離脱リスク後退→英ポンド上昇→ユーロ連れ高)や、A欧州株の上昇を受けたリスク選好のユーロ買い・ドル売りが支援材料となり、米国時間朝方にかけては、高値1.1770(9/22以来の高値圏)まで上昇しました。しかし、ボリンジャーミッドバンドに続伸を阻まれると、B米経済指標の良好な結果(ドル買い)や、C欧州委員会が「ユーロ高の長期化がユーロ圏経済の回復を阻害している」との報告書を取りまとめているとの一部報道(ユーロ高牽制観測→ユーロ売り)、D欧州連合による英国の国内市場法案に対する法的措置開始(英国の合意無き離脱リスク再燃→ユーロ売り)、F欧州圏における新型コロナウイルスの感染拡大懸念(スペインのマドリードで感染拡大抑制に向けたロックダウンを再導入するとの一部報道)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1744近辺まで押し返される動きとなっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、8/28に記録した高値106.96をトップに反落に転じると、9/21には一時104.00(約半年ぶり安値)まで急落しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表雲下限を下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転も成立するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象付けるチャート形状となっております(足元反発に転じるも、一目均衡表基準線やボリンジャーミッドバンドが密集する105円台半ばで伸び悩む展開が継続中。一目均衡表雲下限も垂れ下がってきており、上値余地は乏しいと判断)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不安、B米中対立先鋭化リスク、C米政治の先行き不透明感(11/3に予定されている米大統領選への警戒感)、D朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、E新型コロナウイルスの感染再拡大リスク、F日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、G実体経済と株式相場の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク。財政の崖リスクの顕在化)、H英合意無き離脱リスクの再燃、I米追加景気対策の交渉難航など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも「下落リスク」が警戒されます。株式市場の動向(含む売買終日停止明けの東京証券取引所の動向)や、米中対立及び英国情勢に関するヘッドライン、米主要経済指標の結果(米9月雇用統計や、米9月ミシガン大消費者信頼感指数など)、新型コロナウイルス第2波に関する続報(スペインのマドリードでロックダウン再開)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(アジア時間帯は米雇用統計を控えた様子見ムードから方向感に欠ける値動きを想定)。
本日の予想レンジ:104.90ー105.80
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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