ドル冴えない、対円では7月安値が視界内(9/18夕)

18日の東京市場は、ドルが冴えない。当初はドル買いからスタートしたが続かなかった。夕方にかけて、逆に下げ幅を拡大させている。

ドル冴えない、対円では7月安値が視界内(9/18夕)

ドル冴えない、対円では7月安値が視界内

〇ドル円、一時104.90近くまで値を上げたが105円台届かず、夕方にかけてドル売り優勢に
〇NZドル円、同国財務相の政策金利に関する発言が好感され、昨日安値から1円を超える上昇
〇TikTok提携、期限を20日に控え観測報道相次ぐ、状況次第では為替市場にも影響か
〇本日発表予定の米経済指標の他、欧米当局者らによる発言も注視
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ104.10-105.10

<< 東京市場の動き >>

18日の東京市場は、ドルが冴えない。当初はドル買いからスタートしたが続かなかった。夕方にかけて、逆に下げ幅を拡大させている。

ドル/円は104.70-75円で寄り付いたのち、ややドル買いが先行。104.90円近くまで値を上げたものの続かず、105円台へは乗せられなかった。日米株価の動きに加え、東京勢が明日から4連休を迎えることで、一部から需給要因なども取り沙汰されていたものの、結果として影響は限定的なものにとどまっている。むしろ、夕方にかけてはドル売りが優勢になると、16時現在では104.65-70円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、そんな東京時間に目立っていたのはNZドル。対円では「寄り付き安・大引け高」に近い値動きで、昨日安値からの上昇はというと1円を超えていた。同国財務相が「来年初頭まで現行の政策金利水準を維持する」などと発言、それが好感されていたという。

一方、材料的に注視されていたものは、「TikTokをめぐる動き」と「英国情勢」について。
前者は、引き続き「TikTok」をめぐる観測報道が相次ぎ、市場は一喜一憂。たとえば、TikTokの運営会社である中国バイトダンスが「米オラクルとの提携には、中国政府の承認も必要」との見解を明らかにしたとされ、市場で物議を醸す。交渉の先行きが一段と不透明になったとの見方も聞かれていた。しかし、そののちは「オラクルなど米国連合がTikTok米事業の少なくとも60%以上の株式取得見通し」(ロイター)、「オラクルとバイトダンス、米財務省提示の新条件を受け入れで暫定合意」(ブルームバーグ)−−などといった逆にポジティブな報道も。いずれにしても、期限切れを迎える20日までに、トランプ米大統領が如何なる判断をくだすのか、引き続き注目だ。

対して後者は、緊張感の高まっているEUとの関係について、英政府が「誠意ない行動なら離脱協定違反法案の権限行使も」と脅しをかけるなか、欧州委員長は「英との通商合意は依然可能だといまも確信している」と発言。またEU主席交渉官も、欧州委員長と同様の趣旨のコメントを発したとされ、楽観的な見解がポンドの下値を支えていた感を否めない。

<< 欧米市場の見通し >>

新しく誕生した菅首相・内閣について、トランプ氏が「早く会談したい、楽しみだ」などと述べたとされている。また、それを受けてかFNNによると、「日米首脳は20日に初の電話会談実施で調整をしている」という。本日ではなく、この週末の出来事になるものの、一説には菅首相は「外交が苦手」などともいわれているだけに、どんな外交デビューとなるのか、大いに注目したい。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」、「菅新首相誕生と日本の政局」、「ベラルーシ情勢」、「毒殺未遂事件を中心としたロシア情勢」など注目要因は依然として目白押し。また、先で取り上げた「日米首脳会談」のように、本日ではなくやはりこの週末の出来事として注意したいのが、「TikTokをめぐる一連の動き」。20日が期限で、トランプ氏は延長をしない旨と述べているだけに、この週末には決着がつけられる見通しだ。状況次第では、東京休場となる21日月曜日の為替市場は荒れ模様でスタートも!?

テクニカルに見た場合、ドルは昨日欧米時間に104.53円まで下落したのち、いくぶん持ち直しの動きを見せていたが、東京夕方にかけた再下落。昨日安値を視界内に捉えた動きとなっている。その攻防がまずは注視されており、下回ると次のターゲットは7月安値の104.19円か。さらなるドル安の進行には注意を払いたい。
ただ、レベル的に本邦勢による口先介入なども警戒されており、その場合には一時的にせよドル急反発も否定できないだろう。

本日、8月の景気先行指数や9月のミシガン大学消費者信頼感指数速報といった米経済指標が発表される予定となっている。
また、ブラード・セントルイス連銀総裁によるオンライン講演、ボスティック・アトランタ連銀総裁の基調演説など、欧米当局者らによる発言機会も少なくない。FOMCやECB会合などを受けての要人コメントを警戒する声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.10-105.10円。本日東京高値にあたる104.80-90円が最初の抵抗で、上抜ければ105円台回復も。
対するドル安・円高方向は、昨日安値104.53円の攻防にまずは注目。下回ると7月末安値104.19円がターゲットとなる。さらに、仮にそのレベルも割り込むようだと、103.65-70円が意識されそうだ。

ドル冴えない、対円では7月安値が視界内

ドル円日足


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