海外時間の為替概況
〇ドル円米国時間にかけ一時105.29まで続落
〇ユーロドルは一時約2年3か月ぶりの高値1.1966まで急伸
〇米中対立激化、追加財政策期待後退,米長期金利低下によるドル売り継続
〇テクニカルには21日線下抜け上値の重さ印象づける形状
〇本邦の6月機械受注や7月貿易統計、米国のFOMC議事要旨など注視
〇本日の予想レンジ:105.00ー105.80
18日(火)の外国為替市場でドル円は続落。@米中対立激化(トランプ米政権はTikTokやWeChatの禁止措置に加えて中国ファーウェイへの禁輸措置を発表)を嫌気したリスク回避の円買いムードや、A米追加財政政策への期待感の後退(規模縮小の恐れ)、B米長期金利の低下を受けたドル売りの流れ(ドルインデックスは2018年5月以来、約2年3ヵ月ぶり安値圏へ急低下)が重石となり、米国時間にかけて、安値105.29まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、105.43近辺で推移しております。尚、昨日発表された米7月住宅着工件数(結果149.6万件、予想123.7万件)、米7月建設許可件数(結果149.5万件、予想131.3万件)は市場予想を大幅に上回りましたが、市場の反応は限定的となりました。
18日(火)のユーロドル相場は堅調な動き。@新型コロナ復興基金への根強い期待感(ユーロ買い要因)や、A米中対立先鋭化リスク(ドル売り要因)、B米追加財政期待の後退(ドル売り要因)、C上記ABを背景とした米長期金利の低下(ドル売り要因)が支援材料となり、米国時間にかけて、2018年5月以来、約2年3ヵ月ぶり高値となる1.1966まで急伸しました。引けに小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1932近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、8/13に記録した約3週間ぶり高値107.06をトップに反落に転じると、昨日は、一時105.29(8/6以来の安値)まで下落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線やボリンジャーミッドバンドを下抜けするなど、テクニカル的にみて、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となっております。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策余力の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、積極的な緩和方針の継続を示した米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念(中国による報復措置に要警戒)、C世界的な貿易戦争拡大リスク、Dトランプ米大統領の支持率低下(米政治の先行き不透明感)、E朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、F新型コロナウイルスの感染拡大懸念、G日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。欧米株及び商品市況の動向や、新型コロナウイルス及び米中対立激化に関するヘッドライン(米中報復合戦の恐れ)、日米の主要経済指標(本邦の6月機械受注や7月貿易統計、米国のFOMC議事要旨など)の結果、米追加財政政策を巡る続報、米長期金利の動向を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(通貨オプション市場では、円コールオーバーが拡大するなど、更なるドル安・円高を織り込む展開に)。
本日の予想レンジ:105.00ー105.80
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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