「奇妙な安定」終わる、レンジを下放れ(8/18夕)

18日の東京市場は、ドルが弱含み。とくに終盤にかけて下げ幅を拡大させ、105円半ばまで一時下落している。

「奇妙な安定」終わる、レンジを下放れ(8/18夕)

「奇妙な安定」終わる、レンジを下放れ

〇ドル円、一時105円半ばまで下落、ドル弱含みの展開
〇引き続き米中関係は対立構造、加えて北朝鮮関係も新たな展開
〇市場の「奇妙な安定」終わる、ドル売り・円買い、短期のレンジ下放れの様相
〇「安倍首相の健康不安」説浮上、公務復帰後の動静要注意
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.00-106.00

<< 東京市場の動き >>

18日の東京市場は、ドルが弱含み。とくに終盤にかけて下げ幅を拡大させ、105円半ばまで一時下落している。

ドル/円は105.90-95円で寄り付いたのち、しばらくは強保ち合い。105.85-106.05円といったレンジ取引をたどるも、底割れすると、そのままズルズルとドル安・円高が進展した。夕方には7日以来の安値となる105.50-55円へと値を下げ、16時現在でも引き続き日中のドル最安値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなかブルームバーグが「カナダ財務相辞任」と報じ、為替市場でも思惑を呼んだが、それによる加ドル売りなどは特段見られなかった。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中の対立」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、昨日から本日にかけても、様々なものを争点とした対立構造が取り沙汰されていた。たとえば、米商務省から中国ファーウェイに対する制裁強化策が発表されたほか、大統領首席補佐官による「トランプ氏はTikTok以外の中国系アプリも禁止を検討」との発言が聞かれていた。規制の強化はまだまだ続きそうだ。また、トランプ氏は「中国から製造拠点戻す米企業に税控除」する旨を表明。そのほか、米司法省から「中国に機密漏えいの疑いで元CIA職員を逮捕した」ことが明らかにされている。
対して後者は、当初の予定から2日遅れた本日18日から「米韓軍による合同軍事演習」が始まった。それに対し、かねてより中止を要求していた北朝鮮が予想通りの反発。北朝鮮メディアのひとつ「統一新報」は、「戦争の危機を招く米韓軍事訓練を中断しろ」と題した記事を配信していたという。なお、それとは別に朝鮮中央通信は、「19日に中央委員会総会開催し『重要政策』を決定する」などと報じていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日、筆者は「懸案事項多いものの、市場は奇妙な安定を示している」−−などとレポートした。TikTokやウィチャットをめぐる問題のほか、週末に予定されていた米中貿易協議が延期となるなど、米中の対立を中心に市場を取り巻く材料的には不透明感が非常に高いにもかかわらず、為替市場の反応がいまひとつに思えたからだ。しかし、そののち本日の東京時間に至るまで、ドル売り・円買いという反応が観測されており、短期のレンジを下放れるような様相を呈している。予断は許さないが、ドルの続落に注意が必要かもしれない。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。それら数ある要因のなかでも、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。また、それ以外のものとして急浮上しているのが「安倍首相の健康不安」説。昨日、東京都内の大学病院で日帰り検査を受けたこともあり、一部で根強い危機説が流布しているようだ。実際、週刊新潮のインターネット版では「吐瀉物に鮮血、ステロイド効かず新治療」といったおどろおどろしい表現の記事が掲載されている。短い夏休みが明け、公務に復帰する19日からの動静には要注意か。

テクニカルに見た場合、ドル/円は上値を移動平均の90日線が阻む反面、下支えに寄与していた同21日線(106.05-10円)を、昨日欧米時間にしっかりと割り込んできた。そして、その勢いをかい本日東京でも続落。105円半ばへと達している。
一連の動きについて、ドル安値104.19円を起点とした上げ幅のフィボナッチで見てみると38.2%戻し(105.95円)に続き、半値戻し(105.60-65円)も下回っており、次のターゲットは61.8%の105.25-30円か。それも割り込むようだと105円割れも否定できない。

本日、7月の住宅着工件数や同建設許可件数といった米経済指標が発表される予定となっており、まずは注意を払いたい。先週発表された米経済指標は総じて良好な内容が多かったものの、昨日の指標は斑模様でいまひとつ方向性が定まらず。とくに8月分のデータ、NY連銀製造業景況指数が下振れしたことを気にする声も聞かれていた。
また、引き続きOPECプラス会合や、20日まで開催予定の米民主党全国大会などにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.00-106.00円。昨日までのサポートで、本日106円を割り込んでくる移動平均の21日線が位置する105.95-00円レベルが目先の抵抗か。回復すれば、106円半ば程度までも続伸も否定できない。
対するドル安・円高方向は、フィボナッチポイントにあたる105.25-30円をめぐる攻防にまずは注目。しっかり割り込めば、105円割れが再び意識されそうだ。

「奇妙な安定」終わる、レンジを下放れ

ドル円日足


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