米株高に支えられ、ドル高続く可能性も(8/11夕)

11日の東京市場は、ドルが小高い。それも、終盤にかけて値を上げる展開で、「寄り付き安・大引け高」に近い格好だった。

米株高に支えられ、ドル高続く可能性も(8/11夕)

米株高に支えられ、ドル高続く可能性も

〇ドル円、「寄り付き安・大引け高」、終盤にかけて106.20-25まで続伸
〇米中対立、米厚生長官と台湾総統の会談、新たな火種に
〇新型コロナ感染者、世界で2000万人超える、感染加速の懸念
〇米株は依然堅調、株高に支えられドル高傾向続く可能性
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.70-106.60

<< 東京市場の動き >>

11日の東京市場は、ドルが小高い。それも、終盤にかけて値を上げる展開で、「寄り付き安・大引け高」に近い格好だった。

ドル/円は寄り付いた105.85-90円を日中安値にドルがじり高推移。需給面では、東京勢3連休明けの仲値要因なども取り沙汰されていた。一時は106.15円レベルと、前日高値を前に上げ渋ったものの、時間を経たのち上抜くと終盤には106.20-25円まで続伸している。16時現在では、そのままドルの高値圏をキープし、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中の対立」と「新型コロナをめぐる動き」について。
前者は、中国発の動画共有アプリTikTokや香港情勢をめぐる「米中の対立」が取り沙汰され、後者については、トランプ米政権が香港政府トップら11人に制裁を科したことに対抗し、中国外務省が「米上院議員など11人を制裁対象にした」と発表している。そうしたなか、今回「米厚生長官が台湾を訪問し総統と会談した」ことが、新たに両国の火種になった感も。中国外務省の趙副報道局長が、会談に対し「中国は一貫して米台の公的な往来に断固反対している」と非難するなど、繰り返しての批判コメントが観測されていたようだ。

対して後者は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計結果で、新型コロナの世界感染者がついに2000万人超えとなった。6月下旬に1000万人を上回ってから、約1ヵ月半で倍増した計算で、感染がさらに加速している感を否めない。日本も他人ごとではないものの、やはり懸念されているのは米国情勢。ただ、米製薬会社のギリアドは、抗ウイルス薬「レムデシビル」がコロナ治療薬として新薬承認申請されたことを明らかにするなど、ワクチン開発に期待を抱く市場参加者も少なくはない。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日、ナスダック指数が利益確定売りなどに押され軟落したものの、米株は依然として堅調だ。実際、本日の東京時間、先物取引における米株主要3指数ともプラス圏で推移している。「新型コロナの感染第2波」への懸念や「米中対立」への警戒感も聞かれるが、それらが株式など金融市場に大きな影響を与えている感はうかがえない。なにか決定打が出れば流れが反転することになりそうだが、目先は株高の動きなどに支えられ、為替市場でもドル高傾向が続く可能性もある。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。それら数ある要因のなかでも、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。前者との絡みでいえば、先日、「中国発の動画アプリTikTok、11日にもトランプ政権を提訴」と報じられており、動静は気掛かりだ。なお、東京勢は3連休が明け、市場に戻ってきたものの、今度は週末にかけて「盆休み」を迎える先が少なくない。海外勢が「夏休み」真っ盛りということと合わせ、しばらくは参加者の乏しい状況から不安定な変動をたどる展開にも要注意。

テクニカルに見た場合、ややドル高方向にバイアスのかかった値動きとなっているが、それでもいまだレンジ内。106.47円というレンジ上限をめぐる攻防が引き続き注視されている感を否めない。仮にしっかり超えた場合には、6月高値109.85円を起点とした下げ幅の半値戻しに当たる107.00-05円がターゲットに。
また、ザラ場の動きもさることながら、NYクローズで移動平均の21日線(106.15円レベル)を越えられるか否かも注視されている。

本日、7月の米生産者物価指数が発表されるほか、米財務省による3年債の入札などが予定されている。また、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁などによるオンライン討論会に参加も実施される見込みだ。要人発言には注意を払いたい。
また、英国やトルコを含めた欧州情勢にも要注意。為替市場としても、ユーロが相場をけん引しかねないように思っている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.70-106.60円。上方向は、移動平均の21日線も近くに位置する本日東京高値の106.20-25円が最初の抵抗。しっかり上抜けると、106.47円などを目指す展開となろう。
対するドル安・円高方向は、昨日安値である105.71円が目先のサポートとして意識されている。下回った場合には105.30円がターゲットに。

米株高に支えられ、ドル高続く可能性も

ドル円日足


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